災害時の情報取得、ネットにつながらない場合はどうすべき? スマホで「FMラジオ/ワンセグ」の現状(4/4 ページ)
「災害のときはラジオ大事」「東日本大震災のときはワンセグで津波のニュース映像を見た」──。1月1日16時過ぎに起きた能登半島地震の数日後、X(旧Twitter)でこのような投稿が目立った。震災時にネットが使えない場合、どうすべきかを考えた。
ベストな選択肢を見つけるのは難しい
ここまで中古のスマートフォンやケータイでワンセグを視聴したり、FMラジオを聴いたりする手段があることを伝えたが、大事なのは自分にとってベストな選択肢があるのか否かだ。
調べてみると分かることだが、どの手段にもメリットとデメリットが当然ある。
例えば、スマートフォンやケータイの中古品、それも状態があまりよくないものの場合、長年使い続けることは難しいだろう。中古販売店によっては保証が数週間から数カ月程度しかなく、長期的な使用を見込む人にとってはメリットとはいい難い。状態がいい物を探すのには時間と手間もかかる。
小型の外部ワンセグチューナーについては、調べてみるとAmazonでいくつか販売されているが、知名度のないメーカーの製品もあり、初めて手を出すにはハードルが高い。しかも、その多くはLightning端子での接続であるため、今後、USB Type-C端子のスマートフォンが多く出回ることを考えると、長期的に使いたいものだと断言することはできない。
ワンセグ搭載スマートフォンさえあれば楽なのだが、最近ではわざわざ型落ちしたワンセグスマートフォンや外部ワンセグチューナーを探し求めなければならず、災害時にネット接続をせずに情報収集をする人にとって負担になっているはずだ
端子に左右されずに済むワイヤレス接続対応のワンセグチューナー「SEG CLIP mobile(GV-SC500/AI2)」があるが、専用アプリ「SegClip」と組み合わせなければ使えないし、2017年3月29日に生産が終わり、今後出てくる新しいバーションのOSに対応するとは考えにくい。
過去の記事でも伝えているが、ワンセグ機能搭載スマートフォンや、スマートフォン周辺機器として出回っている外部ワンセグチューナー(iPhone向けのものも含む)は、所有することで、月額1225円(口座・クレジットの場合)のNHK受信料を支払う義務が生じる。
購入した直後にNHKの職員が訪問して、「すぐに料金をお支払いください」と徴収をすることは筆者の経験上ないが、支払い義務があるか否かだけでも念頭において購入を検討した方がいい。
繰り返しにはなるが、災害時にネットに接続できない中、FMラジオやワンセグを昔のように気軽に利用しづらいのが現状だ。
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