iPhone 15を最速充電する方法は? USB Type-C+MagSafe充電を徹底テスト(3/3 ページ)
これからの新生活に向けて、「iPhone 15」シリーズに買い替える人も多いだろう。iPhone 15シリーズ最大の従来シリーズとの違いは端子がUSB Type-Cに変わったことだ。今回はiPhone 15シリーズを充電したり、PCと接続するのに便利なケーブルや充電器を紹介する。
100円ショップでもUSB Type-C充電器やケーブルを買える
ダイソー、キャンドゥ、セリアなどを回ったが、USB PD対応充電器やUSB Type-Cケーブルを確実に手に入れたいなら、現状はダイソーが一番無難な品ぞろえだった。何より、110円で標準的な「USB Type-C-USB Type-Cケーブル」を購入できる点は大きい。ダイソー以外だと、一部にUSB Type-Cケーブルの規格外となる、USB PD対応だがデータ転送非対応のケーブルや、本当にUSB PD非対応のケーブルがあり注意が必要だった。また、安いものはメーカー製と違い、ケーブルが短めで固いなど価格なりの使い勝手だ。
ダイソーは中央左の「USB Type-C -USB Type-Cケーブル」を110円で販売し、いざというときに助かる。他のチェーンだと、右上のMCPCの試験に合格したケーブルが330円で購入できた。一方で、右下の2本のようにUSB PD非対応やデータ転送ができないなど、標準的ではないケーブルも存在した
充電器に関しては、各店舗ともUSB PDの最大20W対応したやや大型のものを770円で販売していた。ちなみに、ダイソーはUSB PDではなくUSB Type-Cの最大15Wに対応している充電器も550円で販売していた。この充電器、規格上の問題はなくiPhone 15 Proも最大15Wで充電できたのだが、USB PD対応が主流の中、USB Type-Cの最大15Wを生かせない機器もある。できれば、220円足してUSB PD 最大20Wの充電器を買った方が後々利用しやすいだろう。
MagSafeワイヤレスを倍速充電! 空冷ファンで充電機をテスト
最後に、MagSafeのワイヤレス充電に触れておこう。筆者は以前にMagSafe充電器をレビューしたが、充電速度が遅い上に本体が熱を持つので充電方法としては不便という結果となった。その上で、過去に一部存在した急速充電対応のワイヤレス充電器のように、空冷ファンを取り付けてワイヤレス充電器を強制的に冷やす実験を試したところ、充電速度が1.5倍ほど速くなるという結果を確認できた。
だが、この空冷ファンでMagSafeの充電速度を速くする方法を、実際の製品として実現しているメーカーがあったので、こちらの充電速度をテストしてみた。
試したのはESRの「25W 3-in-1 ワイヤレス充電器 MagSafe」だ。Apple認証のMagSafeとApple Watchの充電器、AirPodsを想定したワイヤレス充電器を搭載する。このメーカーはMagSafeの充電部を空冷で冷やす「CryoBooost」搭載モデルを複数発売している。ただ、ネット通販中心で在庫状況は安定していないようだ。
結果、ESRの空冷によるMagSagfe充電なら、標準のMagSafe充電器のほぼ倍の速度で充電できた。USB PD対応のUSB Type-C充電機による有線での充電ほど速くはないが、実用的な速度になったといえる。発熱もiPhoneとMagSafeが近づく部分がほんのり暖かい程度で、通常のMagSafe充電と違い全体が熱くなる感じはない。iPhoneを素早くワイヤレス充電したい人にとっては、現状ベストな製品といっていいだろう。あとは安定して購入できることを期待したい。
【コラム】iPhone 15シリーズは「上限80%」設定が追加
今回の充電速度テストで、なぜ80〜100%までの充電に時間がかかるのか気になった人もいるだろう。これは、iPhoneやスマホの多くはバッテリーへの負荷を抑えるため、残量が100%に近くなるほど充電速度を抑える仕様になっているからだ(一部には、100%まで急速充電する製品もある)。このため、急いで充電しているときやモバイルバッテリーでの充電時は、100%まで待たずに80%あたりで充電を切り上げた方が快適に利用できる。
その上で、iPhone 15シリーズは新たに「上限80%」という設定を追加した。これは普段の充電を80%までに制限することで、バッテリーへの負荷を減らしバッテリーの寿命が長くなることを期待した設定だ(たまに100%まで充電する)。この設定自体は目新しいものではなく、以前からソニーやシャープなどのAndroidスマホや、その他ノートPCなどにも同様の機能がある。
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