据え置きカーナビが売れなくなる心配はない? スマホアプリに参入したパイオニアに聞いてみた(2/2 ページ)
カーナビメーカー大手のパイオニアがカーナビアプリに参入。「自社の据え置き型カーナビが売れなくなってしまうのでは」といった考えが頭をよぎるが実際は……? パイオニアに聞いてみた。
カーナビアプリは据え置き型カーナビの売り上げに影響を与える?
―― 「COCCHi」が、自社の据え置き型カーナビ(サイバーナビ、楽ナビ)の売り上げに影響を与えるか、どのようにお考えですか。
パイオニア 当初、社内でもその様な懸念の声が挙がっていました。しかし、企画段階の調査において、車載専用機にはオーディオやDVD/地デジの視聴などハードウェア全体としての価値があり、ナビゲーションという機能や価値だけで購入されている訳ではないことが分かりました。
現時点でもカーナビアプリへ参入したことによる車載専用機の売り上げへの影響はほとんど出ていないと認識しています。また、COCCHiの登録者アンケートからも、パイオニアのカーナビと併用されている方も多くいらっしゃることが分かっております。
―― 「COCCHi」において、無料プランと有料プラン(月額350円)を用意した意図を教えてください。
パイオニア “パイオニアのナビゲーション”という価値に対して対価を頂くビジネスモデルを主と考えています。そのためには、まずナビゲーションの良さを多くの方に体験して頂く必要があると考え、無料プランと有料プランの1カ月無償体験を用意しました。
―― CarPlay/Android Auto対応など、機能追加を積極的に行われていますが、今後はどのように進化させていきたいと考えていますか。
パイオニア COCCHiはナビゲーションというアセットを車載機器ではなくクラウドに構築するため、幅広い展開が可能だと考えています。
運転中に困った事を解決する機能や個人に合わせて成長していくパーソナライズ化、コンシューマーのみならず配送業務などに利用できる機能、EV向けやCO2排出問題を解決する機能なども考えています。
また、4輪だけでなくβ版を提供している2輪向けの「MOTTO GO」や、歩行者向けなどマルチモーダル化も可能です。弊社は“未来の移動体験を創ります”という企業ビジョンを掲げておりますが、移動社会に貢献できるさまざまな新しい機能/価値を提供していきたいと考えています。
ユーザーに選んでもらうきっかけ作りが重要か
パイオニアはカーナビ・カーAVブランド「カロッツェリア」として、サイバーナビや楽ナビといった人気製品を生み出してきた老舗でもある。カーナビとしての実力は抜群に高いのは間違いない。現状の課題は、無料で“それなり”に使えてしまう他社カーナビアプリのユーザーから、「お金を払ってでもパイオニアのナビを使いたい」と選んでもらう必要があることだろう。
カーナビアプリの機能比較は日常的に使い込んでいないと難しいからこそ、まずはユーザーにアプリのインストールを促して使ってもらう“最初の一歩”が重要そうだ。
個人的にはパイオニアのノンストップミックス再生アプリ「MIXTRAX」(2023年に提供終了)が好きだったので、何かしらの形で再びアプリとして使えるようにならないかなと思っている。
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