PayPay「オフライン支払いモード」の利用回数上限、10回→20回に 大手キャリアの通信障害が利用を後押し
PayPayは「オフライン支払いモード」における決済回数の上限を引き上げる。オフライン支払いモードはスマートフォンでインターネットに接続できなくても決済できるモード。昨今の大手キャリアによる通信障害が利用を後押ししている。
PayPayは「オフライン支払いモード」における決済回数の上限を引き上げる。利用回数の上限を10回から20回に増やす。オフライン支払いモードはスマートフォンでインターネットに接続できなくても決済できるモード。昨今の大手キャリアによる通信障害が利用を後押ししている。
コード決済サービスは、モバイル回線やWi-Fiなどを用いてインターネットに接続した状態でなければ、基本的に決済を行えない仕組みだが、PayPayは2023年7月からスマートフォンが圏外や通信しづらくても決済できるようにした。「オフライン支払いモードを利用した決済の平均GMV(決済取扱高)や決済金額などが大幅に向上した他、決済回数上限を超えて利用する人が多い」ことから、約1カ月の間(30日間)に決済できる回数の利用上限を10回から20回に増やす。
一方、「利用上限額/利用可能額で設定された金額以上の支払いと、所持している残高を超える支払いはできない」としている。
通信障害などで決済できないなどとなげく声はSNSに多く上がる。電話やメール、SNSだけでなく、コード決済サービスを使った買い物もできなくなるからだ。オフライン支払いモードの提供開始までは、複数回線を持つことでそうした事態に備えることができたものの、大規模災害などで全社の通信サービスが使えなければ複数回線を持っていても意味がない。
PayPayは“インフラと化した”コード決済サービスの役割を重視し、ユーザーの利便性向上に努める様子が見て取れる。特に2023年1月以降、NTTドコモで通信品質の著しい低下が目立ち、渋谷や新宿などの繁華街でつながりづらくなっていることが、オフライン支払いモードの利用を後押ししているようだ。
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