サービス開始から10年のmineo 通信品質改善が純増に貢献、次の戦略は“ライトファン”の獲得(1/2 ページ)
オプテージのMVNOサービス「mineo」が2024年6月3日に10周年を迎えた。コンシューマ事業推進本部でモバイル事業戦略部長を務める松田守弘氏や、モバイル事業戦略部の田村慎吾氏らが「mineo渋谷」に姿を見せた。これまでに重視してきたことや、今後の事業戦略を説明した。
オプテージのMVNOサービス「mineo」が2024年6月3日に10周年を迎えた。コンシューマ事業推進本部でモバイル事業戦略部長を務める松田守弘氏や、モバイル事業戦略部の田村慎吾氏らが「mineo渋谷」に姿を見せ、これまでに重視してきたことや、今後の事業戦略を説明した。記事内の価格は特記事項を除き全て税込みとする。
6月3日に10周年を迎えたmineo、通信品質改善が契約数の純増に寄与
松田氏はまず10周年を迎えたmineoの回線数について説明した。mineoのサービスはいまから10年前の2014年6月3日に開始。当時の運営会社は関西電力系のケイ・オプティコムで、MVNOとして初めてKDDIの通信網とレイヤー2接続したサービスとして、下り最大150Mbpsのau 4G LTEを利用した。
開始当初の料金はデータ通信のみの「シングルタイプ」で月額980円(税別)で、090番などの携帯電話番号も使える「デュアルタイプ」で月額1590円(税別)だった。その後、NTTドコモとソフトバンクの回線も選べるようになり、マルチキャリア対応を前面に打ち出した頃もあった。2024年6月現在は毎月使用可能なデータ容量で選ぶ「マイピタ」(月額880円から)、月曜日〜金曜日の12時〜13時の通信速度が制限される代わりに、データ使い放題になる「マイそく」(月額250円から)を提供し、ユニークなサービスを売りにする。
そんなmineoの回線契約数について、松田氏は2023年12月末時点で126万回線を突破したと1月30日の会見で説明していたが、2024年に130万回線を突破したことに加え、「近年では法人のユーザーにも広く利用されるようになった」(松田氏)ことを明らかにした。その上で、「長く愛されるmineo」になり、「ずっとmineoがいい」と思ってもらえるようなサービスを目指し、10周年を迎えた今だからこそ「原点に立ち返り、地味でも、長く愛されるアップデートを掲げて取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
mineoは、2024年に通信品質の改善と、長期利用特典の見直しに力を入れている。田村氏は「1〜3月の利用者純増数が前年同期比で約2倍」となり、テレビCMやプロモーションの強化だけでなく、「モバイル事業におけるベースの価値」(田村氏)である通信品質の改善が寄与していることを説明する。ユーザーがmineoを解約する際に行われたアンケートによれば、2024年1月〜3月における通信速度の不満が2023年1月〜3月時点と比べて最大で5%減少し、通信品質改善の効果が出ていることが分かった。田村氏はこのデータを踏まえ、「2022年月間平均解約率が1.7%弱から1.6%強に減った」とし、「向上させた水準をしっかり維持していきたい」と述べた。
利用者特典制度の「ファン∞とく」では、コミュニティーサイト「マイネ王」での活動状況に応じて特典を付与する形だったが、2月28日からは活動状況ではなく契約年数に応じて特典を付与している。田村氏によれば、オプションを試せる「10分かけ放題」や端末割引などが全体のうちの6割ほどを占めている。さらに、10分かけ放題は同じオプションの利用のうちの約7割を占め、端末割引に関するオプションは3000円引き/7000円引きが約8割を占めており、端末割引は高額なものの方が利用されていることが分かる。田村氏は「今後の利用状況を踏まえて、ラインラップの見直しを検討していく」とした。
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