楽天モバイルの5G(Sub6)、都内でのトラフィックが約2.3倍に ユーザー数は約1.5倍、通信速度は約2倍に向上
楽天モバイルは6月27日、5G(Sub6)基地局のキャパシティを増強する施策を行なったと発表した。これにより、東京都内では従来比で5G接続におけるセル当たりのトラフィックが約2.3倍、ユーザー数が約1.5倍、平均通信速度が約2倍に向上したとしている。Sub6は5G専用に割り当てられた6GHz帯以下の周波数帯を指す。
楽天モバイルは6月27日、5G(Sub6)基地局のキャパシティを増強する施策を行なったと発表した。これにより、東京都内では従来比で5G接続におけるセル当たりのトラフィックが約2.3倍、ユーザー数が約1.5倍、平均通信速度が約2倍に向上したとしている。
Sub6は5G専用に割り当てられた6GHz帯以下の周波数帯を指す。共用帯域における衛星通信との干渉調整条件の緩和により、関東地方における既存の5G基地局の電波送信出力を上げることが可能となった。楽天モバイルは2024年5月から年内をめどに関東地方における5Gエリアを2024年1月比で最大1.6倍まで順次拡大する取り組みを進めている。
楽天モバイルは今回、この取り組みに加えて2024年6月末までに全国における5G(Sub6)基地局のソフトウェア・アップグレードを実施し、5Gの通信速度、安定性の大幅な向上を実現。基地局のパラメータを最適化し、4Gと5Gをスムーズに切り替えられるとしている。
この他、楽天モバイルはOpen RANベースの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構築。2024年5月末時点で全国に合計1万7210局の5G屋外基地局を展開している。今回、5G基地局を構成する楽天シンフォニーの無線アクセス装置DU(分散ユニット)と、CU(集約ユニット)のソフトウェア・アップグレードを実施し、Massive MIMOにおけるビームフォーミング機能の拡張を実現。楽天シンフォニーが開発するDU・CUは仮想化に対応しており、仮想化プラットフォーム上で稼働する基地局のソフトウェアを迅速にアップグレードできるとしている。
東海地方と近畿地方でも、5G(Sub6)基地局のキャパシティを増強する施策を進める楽天モバイルは、東海地方では5Gトラフィックが約1.3倍・ユーザー数が約1.1倍、近畿地方では5Gトラフィックが約1.7倍・ユーザー数が約1.4倍、平均通信速度が約1.6倍に向上したことも発表した。
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