スマホの「イヤフォンジャック」「microSDスロット」は廃止されるのか 次のターゲットは「SIMスロット」?(1/3 ページ)
スマートフォンから減りつつあるイヤフォンジャックやmicroSDスロット。今でも根強い支持をもつ機能だ。今回は日本国内にて2024年発売、発表された機種で改めてmicroSDメモリーカードや有線イヤフォンが利用できる機種を取りまとめてみた。
スマートフォンから減りつつあるイヤフォンジャックとmicroSDスロットは、今でも根強い支持されている機能だ。今回は日本国内にて2024年発売、発表された機種で改めてmicroSDメモリカードや有線イヤフォンが利用できる機種を取りまとめてみた。
少なくなったイヤフォンジャック搭載機、ハイエンドでは少数派に
まずは、2024年日本で発売(発表)されたスマートフォンにイヤフォンジャックとmicroSDスロットが利用できるか否かを表にまとめた。microSDスロットの有無は本体のストレージ容量の関係が大きいため、端末のストレージの最低容量も合わせて記載している。
【訂正:2024年7月1日10時50分 初出時、Galaxy A55のmicroSDスロットを、AQUOS wish4のイヤフォンジャックを非対応としていましたが、正しくは対応しています。おわびして訂正いたします。】
イヤフォンジャックはミッドレンジでは採用機種が一定数あるが、ハイエンドでは少数派だ。10万円を超える価格帯では、現時点でゲーミング性能をアピールする「ROG Phone 8」と「REDMAGIC 9 Pro」、ソニーの「Xperia 1 VI」で採用している。
また、ソフトバンク専売の「Leitz Phone 3」もイヤフォンジャックを備えるが、こちらのベースモデルは2023年発売のシャープ製のハイエンドスマホ「AQUOS R8 pro」だ。
ミッドレンジではFCNTの「arrows We2 Plus」、ソニーの「Xperia 10 VI」がイヤフォンジャックを採用するが、Xiaomiやモトローラといった海外勢は採用していない。以前に比べて海外メーカーの機種が増えたこともあり、ミッドレンジでイヤフォンジャックを採用する機種が少なくなった印象だ。
市場想定価格が4万円以下のエントリーモデルではイヤフォンジャック採用機種も多く、ユーザーからの支持が根強い。このあたりの価格帯ではFMラジオ機能を備える機種もあるため、有線イヤフォンをアンテナとして機能させるために備える。
さて、ハイエンドスマートフォンにおけるイヤフォンジャックは機能性よりも、もっぱらゲーミングのアピール要素が強くなった。ゲーミング用途では音声の遅延を抑えられること、本体を充電しながら有線イヤフォンを利用できることがアピールポイントだ。REDMAGICやROG Phoneといったゲーミングスマホで支持が根強い点は納得だ。
また、ソニーのXperiaはゲーミングに加えて音楽の「高音質再生」という付加価値を備えている。このあたりはウォークマンを同じグループ内に持つソニーらしい強みだ。
ミッドレンジでもイヤフォンジャックを備えない機種が増えているのは、メーカーの考え方も大きい。日本での地盤が強いメーカーはユーザーの声に応える形で採用しているが、海外勢のようにグローバル向け製品をベースに日本向けローカライズをする場合は別途コストもかかるので好まれない。Xiaomiでは自社のワイヤレスイヤフォンを購入特典として提供するなど、利便性を損なわないように対応した例もある。
また、ミッドレンジやエントリーモデルではFMラジオ機能を備える関係で、有線イヤフォンをアンテナとして機能させるためにイヤフォンジャックを備える機種がある。2024年初めの能登半島地震でも「携帯電話のセルラー通信に依存しない情報収集ツール」としてFMラジオが注目を集めるなど、もしもの備えに応える機能だ。
2024年は端末の変化も大きい。長年イヤフォンジャックの採用を続けていたシャープは、2024年夏に発売する「AQUOS R9」で採用を見送った。端末のデザインを一新したことや、海外市場にも注力している点から、従来のイメージとは異なる戦略に至ったと考えたい。
また、積極的な日本向けローカライズで人気を集めるOPPO Reno Aシリーズの最新モデル「Reno11 A」も今回はイヤフォンジャックの採用を見送っている。こちらはベースモデルをグローバル向けの機種としたことで円安下でもコストを抑えており、その影響だと考えられる。
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