“完全0円”の格安SIM「みんギガ」が生まれたワケ 若年層のギガ難民を救えるか:MVNOに聞く(2/3 ページ)
BAKERUが提供する「みんギガ」は、ユーザー対象をZ世代に絞って基本料0円を打ち出す通信サービス。企業からのアンケートに答えると、500MBのデータ容量が付与される。mineoと提携してサービスを提供する狙いを聞いた。
容量追加オプションはなく、あくまでサブ回線での利用を想定
―― βサービスがこれからということなので、まだ細かなサービスペックが発表されていませんが、最初からついてくる500MBとアンケートでもらえる500MB以外に、ユーザー自身で容量を購入することはできるのでしょうか。
正嵜氏 今のところ、(容量追加のオプションは)設定していません。他のSIMをやめてこれにしてくださいというものではなく、2枚目として使っていただくことを想定しているからです。アンケートでデータ容量をためていただきつつ、月末にメインの回線が足りなくなった時に、お助け的に使っていただくことを考えています。
SIMもeSIMオンリーで音声回線もありません。
―― なるほど。最初からeSIM対応端末の副回線狙いということですね。アンケートに1回答えると500MBで計1GBになりますが、頻度はどの程度になるとお考えでしょうか。
正嵜氏 少なくとも1人に対して月1回、2回は提供できるよう、準備をしていきたいと考えています。少なくとも1GBは配布できるようにしなければいけない。そのためには、企業側とユーザー側の人数をうまく調整する必要があります。
―― 初期費用もかからないんですよね。
正嵜氏 一切ありません。いわゆる販売ではなく、会員登録に近い形にする予定で、クレジットカードなどの登録もないようにします。
山下氏 見せ方としては、アンケートサービスに近い形になると思います。
―― データ容量ですが、繰り越しには対応しているのでしょうか。
正嵜氏 はい。1カ月繰り越せるようになっています。月末にアンケートが来たら、すぐ使わなければいけなくなってしまうので(笑)。
―― Z世代の意見を集めるという意味では、mineoが使ってもよさそうですね(笑)。
山下氏 はい。案外、若年層や高齢者層にとって、MVNOはハードルが高い存在です。アンケート機能を生かしながら、回線獲得につなげていければと考えています。
―― ユーザー獲得は、やはりオンラインでしょうか。
正嵜氏 基本はWebでの申し込みになります。広告を使って一般的に獲得していく方法と、既にコミュニティーを持たれている企業、団体に直接アプローチしていく方法の2つがあります。
0円だが人数制限は考えていない ターゲットを変えたサービスも視野に
―― 過去に0円で提供した回線は、話題になってユーザーが集まったものの、収益性が悪いので帯域をなかなか増やせないということがありました。みんギガは、人数制限のようなことはお考えでしょうか。
正嵜氏 今のところは考えてないですね。
山下氏 基本的に、帯域はmineoの法人と同じものを使います。もし100万ユーザーが一気に入ったら話は別ですが(笑)、想定しているスコープだと、その帯域を圧迫するようなことにはなりません。もちろん、ユーザーが増えてくれば帯域確保や増強も考えていきます。
―― 逆に、アンケートは500人をサンプル数として挙げていますが、最低、このぐらいの数は取れるということですよね。
正嵜氏 はい。もちろん、殺到してほしい気持ちはありますが、数万の方が一気に入るわけではないと思います。じわじわと伸ばしていくことを考えています。
―― ちなみに、年齢を25歳までに区切っていますが、サービス提供中に26歳になったら強制解約でしょうか。
正嵜氏 それについては、今後設定したいと考えていますが、解約するのも……という気持ちはあります。また、今回はZ世代向けですが、同じような形でターゲットを変えたサービスも作っていきたい。そこに広げていければいいですね。
―― mineoはトリプルキャリアですが、回線は選べるのでしょうか。
山下氏 βサービスの検証時は、選べるようにするとユーザーインタフェースがややこしくなってしまうので、1回線です。正式サービス化のときには、ご相談することになります。やはりドコモがいい、auがいいという方はいらっしゃる一方で、2回線目でパケットがもらえるからそこまでは気にしないという方もいます。ただ、まだどこにするかは決まっていません。mineoはドコモとauが多く、eSIMに対応しているのもこの2回線なので、そのどちらかになると思います(※編集注:取材後、au回線のAプランのみに決定した)。
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