楽天モバイルの赤字幅が縮小、プラチナバンドは前倒しでエリア化 三木谷氏は「若年層の利用増」もアピール(3/3 ページ)
楽天グループが、2024年12月期第2四半期の連結決算を発表した。楽天モバイル事業が順調で、マーケティング費用を除いたキャッシュフローで黒字化を達成。プラチナバンドは前倒しで積極的に設置していくとした。
楽天ペイメントも黒字化
インターネットサービスセグメントは、ポイントプログラムSPUや0/5(0と5のつく日の特典)改定、全国旅行支援がなかったといった影響は合ったものの、売上収益は同3.1%増の3039億円、Non-GAAP営業利益は同30.3%増の189億円となった。
SPUの改定などについては「より優良なお客さまに手厚くするという施策」(同)ということで国内ECの売上が成長し、収益性は改善したという。
フィンテックセグメントは、売上収益は同12.0%増の2027億円、Non-GAAP営業収益は同28.1%増の423億円となり、初めて売上2000億円を達成した。
楽天銀行、楽天証券、楽天カードが順調に拡大。さらに楽天ペイメントが取扱高の拡大で増収増益となり、売上収益は同23.5%増の225億円、Non-GAAP営業収益は39億円の改善となり、12億円の黒字となった。「なかなか競争の激しい業界だが、他社がなかなか黒字化できない中、楽天ペイメントは既に黒字化した」と三木谷氏。
南海トラフ地震に伴い対策本部を立ち上げ
なお、政府は8日に「南海トラフ地震臨時情報」を発表しており、これに対応して楽天モバイルは対策本部を立ち上げたという。楽天モバイルの矢澤俊介社長は「しばらく様子見だが、南海トラフ地震を想定して機材の準備をしている」と説明。
地震発生時は、基地局の出力を制御してバッテリーの延命を図ることがソフトウェアでコントロールできる他、バッテリー、発電機、可搬型基地局を該当エリアに移動し始めているなど、準備を進めているという。
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