3万円超えのペルチェ素子採用ネッククーラー「COOLIFY Cyber」はどこまで冷えるのか?:冷やしガジェット(3/3 ページ)
毎年暑いと言っているが今年は特に暑い。夏を乗り切るのに今やネッククーラーやネックファンは必須アイテムとなっているが、その決定打ともいえるTORRAS「COOLIFY Cyber」を借りることができた。本当に決定打になり得るのか、試してみた。
強力なクール感を得られる!
普段、このようなアイテムのレビューをする場合にはできるだけ気温の高い時間帯を狙って近所の公園まで徒歩移動し、どれだけ「涼しい」または「快適だ」と感じたかを記録するのだが、それではすぐに帰って涼める、という安心感があるからかなかなか真に迫った感想を持つことができない。
などと考えていたら、たまたま東京都心部で最高気温35.3度となる日にほぼ屋外でのイベントを取材する機会があったので、COOLIFY Cyberを実戦投入することができた。
家を出たのが午前9時50分で、気温は30度を超えていた。いつもなら玄関を出た途端に汗が噴き出すところだが、COOLIFY Cyberのおかげで噴き出すほどの汗を感じることがなかった。通常、ペルチェ素子を採用したネッククーラーにせよ、ファンを搭載したネックファンにせよ、冷却プレートまたは風の吹出口以外の部分が熱を持ってしまい不快に感じるものなのだが、COOLIFY Cyberでは肌との接触面全体が冷えているように感じた。
これは、肌に触れる面全体に熱伝導率の高いグラフェンを採用しているからだ。冷却プレートが生み出した低温を冷却プレートから離れた部位にも伝導して、全体的に冷たさを感じられる仕組みになっている。もちろん、どの部位も同じほど冷たいということはなく、あまり冷えていない部分もある。
その後、公共交通機関利用時には手動で出力レベルを下げた。乗車直後は汗が出ているのですぐにでも冷やしたいところだが、出力レベルが高いと、ファンの音が気になるからだ。なお、COOLIFY Cyberでは冷却プレートのみの運転は行えない。送風のみか、冷却+送風のいずれかになる。
イベント会場までは駅から13分以上の道のりだ。駅のプラットホームから地上へ出るまで約5分、地上では日差しの照りつける中8分以上移動した。
その後、イベント会場に到着し、屋外用ミストファンや送風機がガンガン回っている屋外とひとつながりのスペースで約3時間ほどPC操作をしたり、展示物を見て回ったりしたのだが、気温の高さで気分が悪くなる、汗だくになる、汗がポタポタ垂れるという不快な状況になることはなかった。
徒歩移動時には出力レベルを100に、会場についてからは30または60に落としていたのだが、電源をオンにしてから4時間ほど、会場についてから2時間半ほどでスッと電源が落ち、バッテリーを使い果たしていた。
こうなると、首に余計なものを装着していて暑くてたまらなくなるのでは? と思うかもしれない。筆者もそう考えていた。そうでなくとも汗っかきなので、ツルンとしたCOOLIFY Cyberの表面と肌との間に汗がたまって、しかも体温でCOOLIFY Cyberが熱を持って不快になると予測していたのだ。
しかし、どういうわけか考えていたような不快さは感じられなかった。これは先ほどのグラフェン素材のおかげだろう。体が発する熱をうまく発散させてくれるのだ。もっとも、気温が体温を超えるほど高い場合にはこの効果は望めないのだが。
COOLIFY Cyberは、充電しながら使うこともできるので、モバイルバッテリーがあれば、本体のバッテリーを使い果たしてしまっても駆動させられる。長時間の外出時には、PD対応のモバイルバッテリーを用意しておきたい。
実戦投入してみたところ、有用だと感じることができたのだが、数値面ではどうだろうか。気温の高い日の屋外で、何も装着していない場合とCOOLIFY Cyberを装着した場合で、5分後にどれほど体温に違いがあるかを検証した。
なお、検証時の外気温は34.9度だが、直射日光を避けるために設置したサンシェードテント内は非装着時、装着時ともに40度を超えていた。非装着時と装着時の間に室内でクールダウンして高くなった体温をリセットした。
持ち込んだ真空タンブラーの外側の温度が44.4度になるなど過酷な環境であったが、何も装着していない場合とCOOLIFY Cyberを装着した場合とで、2.5度の違いが確認できた。「たった2度」と思われるかもしれないが、何も装着していない場合、屋外で過ごす時間が長ければ長いほど体温は上がり続ける。しかし、COOLIFY Cyberを使っていれば体温の上がる速度が緩やかになるので、上がり過ぎる前に冷房の効いた室内に逃げ込めるだろう。
危険なほど暑い日の外出を避けるに越したことはないが、どうしても外出しなければならないときのために、持っておいても良いのではないかと感じた。
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