モトローラ日本法人の仲田正一社長が退任 キャリアビジネスの拡大道半ばで
モトローラ・モビリティ・ジャパンが10月8日、代表取締役を務める仲田正一氏が、10月15日付で退職することを発表した。仲田氏には、通信事業者で培ってきた経験を生かし、「日本のスマートフォン市場でリーダーシップを発揮していくこと」が期待されていた。直近ではブランドアンバサダーに目黒蓮さんを起用し、認知拡大の攻勢をかけ始めたばかりだった。
モトローラ・モビリティ・ジャパンが10月8日、代表取締役を務める仲田正一氏が、10月15日付で退職することを発表した。後任は未定としており、暫定的にモトローラアジア太平洋地区、エグゼクティブ ディレクターのプラシャンス マニ(Prashanth Mani)氏が兼任でモトローラ・モビリティ・ジャパンを統括するとのこと。
仲田氏は2023年12月12日にモトローラ・モビリティ・ジャパンの代表取締役に就任したばかりだったが、約10カ月での退任となった。
仲田氏はNTTドコモ出身。ドコモ時代には端末の企画開発に携わっており、2006年にドコモがモトローラの「M702iG」「M702iS」を発売した際にはプロダクト担当として関わっていた。ドコモがAndroidスマートフォンを日本に導入するプロジェクトをリードした実績もある。その後はオランダや米国でも要職を務め、NTT DOCOMO USAでは社長兼CEOを務めた。
仲田氏には、通信事業者で培ってきた経験を生かし、「日本のスマートフォン市場でリーダーシップを発揮していくこと」が期待されていた。モトローラ端末の2023年度の出荷台数は前年比で135%増加し、2024年度も好調を維持している。2024年にはミッドレンジスマートフォン「moto g64 5G」「motorola edge 50 pro/50s pro」を投入し、9月には折りたたみスマートフォン「motorola razr 50/50s」も発売した。それに伴い、ブランドアンバサダーに目黒蓮さんを起用し、認知拡大の攻勢をかけ始めたばかりだった。
モトローラ端末は、国内キャリアではソフトバンクが積極的に扱っており、直近ではドコモやKDDIは扱っていない。ドコモ出身の仲田氏を登用したことで、キャリアビジネスの拡大を目指していたことがうかがえるが、2024年10月時点で、キャリアの販路拡大には至っていない。同社の販売戦略は今後、どのような形で展開されるのだろうか。
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