「Xiaomi 14T/14T Pro」は何が進化したのか ライカのカメラ搭載で10万円台から、国内スマホシェア3位でさらなる攻勢を(1/3 ページ)
Xiaomiのハイエンドスマートフォン「Xiaomi 14T」と「Xiaomi 14T Pro」が日本で発売される。ライカと共同開発したカメラを搭載しており、独自のAI機能や急速充電にも対応する。国内のスマートフォン出荷シェアで3位になり、これら2モデルでさらなる攻勢をかける。
Xiaomi Japanが、ハイエンドスマートフォン「Xiaomi 14T Pro」と「Xiaomi 14T」の日本導入を発表。14T Proは11月下旬以降にソフトバンクとオープンマーケットにて、14Tは12月中旬以降にauとUQ mobileから発売される。
同社は10月10日に発表会を開催し、このXiaomi 14Tシリーズに加え、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤフォン、スマートTV、ロボット掃除機など多彩な新製品を発表したが、中でも説明に最も時間が割かれたのが、スマートフォンのXiaomi 14Tシリーズだった。この発表会で明かされた、Xiaomi 14Tシリーズの見どころを解説しよう。
ライカ共同開発のカメラがTシリーズにも解禁
Xiaomi 14Tシリーズ最大の特徴は、何といってもライカと共同開発したカメラを搭載していること。ライカ印のカメラを国内のスマートフォンに搭載してきたのは、ここ数年から2023年まではシャープに限られてきたが、2024年5月には、ライカのカメラを搭載したフラグシップモデル「Xiaomi 14 Ultra」を国内にも発売。そして、これまで国内モデルはライカのカメラを搭載していなかったXiaomiのTシリーズも、14Tシリーズでライカが解禁となった形だ。
Xiaomi 14T/14T Proともに、アウトカメラは約5000万画素の広角と望遠、約1200万画素の超広角という3眼構成だが、イメージセンサーや望遠カメラの性能などが異なる。レンズはライカの「Summilux」を採用している。
Xiaomi 14T Proは、Xiaomiが開発した1/1.31型のイメージセンサー「Light Fusion」を採用しており、高いダイナミックレンジや14ビットの色深度を特徴としている。Xiaomi Japan プロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏によると、このイメージセンサーにより、夜間や暗い場所での撮影が主要な競合フラグシップモデルよりも1.5倍高速になるという。焦点距離は広角が23mm、望遠が60mm、超広角が15mmとなり、撮影画面からは0.6倍(15mm)、1倍(23mm)、2倍(46mm)、2.6倍(60mm)、5倍(120mm)をワンタップで切り替えられる。
Xiaomi 14Tはソニーの1/1.56型センサー「IMX906」を採用。焦点距離は広角が23mm、超広角が15mm、望遠が50mmとなり、撮影画面からは0.6倍(15mm)、1倍(23mm)、2倍(50mm)、4倍(100mm)をワンタッチで切り替えられる。望遠カメラのズーム倍率はXiaomi 14T Proの方がやや高い。
画像処理を行うISP(Image Signal Processor)として、AIを用いた独自の「Xiaomi AISP」を採用。CPU、GPU、NPU、ISPの処理を統合しており、全プロセスの画像処理の効率が大幅に向上したとしている。このAISPについてXiaomi 14T Proは54TOPS(TOPS=1秒間に実行できる演算処理)、Xiaomi 14Tは24TOPSの性能を持つ。AISPを用いた機能の一例として、8枚のRAW画像を1枚に処理することでノイズを大幅に削減できるという。ダイナミックレンジは先代から6倍向上した。
動画撮影機能も強化した。「ムービーモード」で撮影すると、2.39:1のアスペクト比で被写体の背景をぼかしながら、映画のような動画を撮影できる。動画はインカメラで4K、アウトカメラで8Kまでのサイズで撮影できる(Xiaomi 14Tはどちらも4Kまで)。
Xiaomi 14T Proはハイエンドプロセッサ「Dimensity 9300+」を搭載
プロセッサは、Xiaomi 14T ProがMediaTekのDimensity 9300+、Xiaomi 14TがDimensity 8300-Ultraを搭載。MediaTekのDimensity 9000シリーズと8000シリーズは、ミッドレンジ/ミッドハイのスマートフォンではすっかりおなじみとなっている。発表会ではMediaTek Japanの栫(かこい)啓介社長が、MediaTekはスマートフォン向けプロセッサで3年連続シェアトップを獲得していることを紹介した。
Dimensity 9300+は、オールビッグコアCPUによるパフォーマンス、同社の第7世代NPUによって実現したエッジ生成AI機能を特徴とする。先代のDimensity 9200と比較して、CPUはシングルコアが15%、マルチコアが40%の性能アップを果たし、電力消費は33%削減できるという。GPUもピークパフォーマンスは46%向上し、電力消費は40%削減できているとする。
Xiaomi 14T Proが搭載する「MediaTek NPU 790」は68TOPSの処理能力を持つ。このNPUを活用したオンデバイスでのAI処理は、先代から100%高速化したという。Xiaomi 14Tは「MediaTek NPU 780」を備える。
Googleとの協業でAI機能も充実 独自の画像加工も
新しいNPUの性能を生かすべく、AI関連の機能も充実させた。
画像関連では、画像の足りない部分を付け加えたり、不要な部分を削除したりできる。AIポートレートでは、人物写真を特定のシチュエーションに合成することが可能になる。例えばギターの演奏をする、ハロウィーンの仮装をするといった具合だ。
Googleとの協業により、対話型生成AIサービスの「Gemini」を内蔵しており、電源キーを長押しすることで呼び出し、会話ができるようになる。画面上の特定箇所を囲って検索ができる「かこって検索」や、リアルタイムの翻訳も利用できる。
この他、クラウドを活用することで、テキストの要約、構文、校正、翻訳が行える「AIメモ」、録音した音声のテキスト変換や要約、翻訳もできる「AIレコーダー」、Web会議やライブビデオなどの「AI字幕」といった機能も用意する。いずれも日本語にも対応している。
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