縦折りスマホ「Galaxy Z Flip6」「motorola razr 50/50s」徹底比較 実機レビューで分かった“違い”(2/4 ページ)
2024年秋、「Galaxy Z Flip6」と「motorola razr 50/50s」という2つの折りたたみスマホが登場した。今回はGalaxy Z Flip6とmotorola razr 50sを使い比べて分かった違いを紹介する。基本スペックに加え、折りたたみ機構、カメラ、パフォーマンス、AI機能などを比べる。
外画面はファッション重視のGalaxy Z Flip6、実用のrazr 50/50s
Galaxy Z Flip6は3.4型、motorola razr 50/50sは3.6型のカバーディスプレイを搭載する。この外側ディスプレイもタッチパネルに対応しており、基本的な操作できる。
時計の表示や通知の確認といった基本的な操作は両機種で共通している。LINEなどのメッセージアプリでは、届いた通知に対して返信もできる。外側画面からカメラアプリを起動して、高画質なセルフィーを簡単に撮影する機能も両社とも備える。カバーディスプレイ上で動作する「パネル」があり、カレンダーやタイマーなどの基本的な機能をこなせるになっている。
Galaxy Z Flip6のカバーディスプレイはファッション性が特徴だ。アクセサリーとして「Flipsuit Case」というクリアケースがある。このケースを装着すると、デザイン豊かなパネルに合わせて、動く壁紙がインストールされる。最近では「ONE PIECE」とコラボしたFlipsuit Caseなども登場しており、今後も拡充が見込まれる。
一方、motorola razr 50/50sの外側の画面はほぼ全てのAndroidアプリがこの画面で操作可能となり、端末を開かずとも多くの作業が完結する。例えばGmailやGoogle Geminiのようなツールアプリから、Kindleのような電子書籍アプリ、PayPayのような支払いアプリまで、閉じた状態で表示できる。「学園アイドルマスター」のようなゲームアプリのプレイまで操作可能だ。縦折りスマホを閉じたまま1日75分以上使う人がいたという前世代モデルの教訓を取り入れて、外側のディスプレイを強化したのだという。
なお、Galaxy Z Flip6は実験的な機能として、マップやGoogle メッセージ、YouTubeのみがカバー画面上で動かせる。ただしここには裏技があり、Galaxy Storeから「Good Look」という拡張機能を導入すると、実はあらゆるのアプリをカバー画面上で動かせるようになるのだ。外側画面の操作性の点では、両機種は同水準にあるといえる。
ベンチマークテストで性能を比較
Galaxy Z Flip6がプロセッサとしてQualcomm製のフラグシップ製品、Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを搭載。motorola razr 50/50sのプロセッサはMediaTek製の「Dimensity 7300X」を備える。
メインメモリは、Galaxy Z Flip6が12GB、razr 50が12GB、razr 50sが8GBを搭載。ストレージはGalaxy Z Flip6が256GBまたは512GB、razr 50が512GB、razr 50sが256GBとなっている。
理論上はGalaxy Z Flip6が高い処理能力を持つが、日常的な使用では大きな差が感じられないだろう。ただし、重いゲームアプリなどを動かす場合には、最新のSnapdragon搭載のGalaxyに分がある。
ベンチマークテストを実行してみた。まず、「Geekbench 6.3.0」では、Galaxy Z Flip6がシングルコア2156、マルチコア性能6772というスコアだった。同じプロセッサを搭載する最新ハイエンドモデルのGalaxy S24 Ultraにほぼ匹敵する。これに対して、razr 50sはシングルコア1038、マルチコア2978だった。3年前のGalaxy S21シリーズに相当するスコアだ。
グラフィックスのベンチマークでは、3DMark 2.4.4934の「Wild Life Extreme」テストを実行した。スコアはGalaxy Z Flip6が1884、razr 50sが863だった。Galaxy Z Flip6はフレームレートを20〜30fps近くで維持していたのに対して、razr 50sは1桁に落ちた状態でテストを完遂した。グラフィックスが印象的なゲームなど遊ぶ際には、他のエフェクトを犠牲にせざるを得ないシーンが出てくるだろう。
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