楽天モバイルが楽天グループの“5年ぶり四半期黒字化”に貢献 モバイル単体の黒字化も目前か(2/2 ページ)
楽天グループが、5年ぶりの四半期黒字化を達成した。楽天モバイルは投資フェーズから成長フェーズに移行し、グループ内サービス利用の促進剤にもなっている。楽天モバイルユーザーのグループサービス増収額を反映した「エコシステムARPU」も伸びている。
楽天モバイル×グループサービスの利用金額も増加
ARPUに関しては、データ利用量の多いユーザーが増えたことでデータARPUが伸長。さらにこの第3四半期から「楽天モバイル契約によるグループサービス増収額を反映した」というエコシステムARPUを導入。これが762円となった。「契約後1年以上経過したユーザー」に限定すると905円となり、利用期間が長いほど「ロイヤルユーザー化する」と三木谷氏。
このエコシステムARPUを「900円、1000円、1200円……1500円と上げていきたい」と三木谷氏は強調する。Rakuten Linkアプリに導入したRakuten Link AIはその一環とのことで、将来的にはパーソナルコンシェルジュ機能として楽天グループのサービスを提案する機能を投入していく考え。
楽天モバイルは800万〜1000万回線、ARPUが3000円程度になれば黒字化するという計画があったため、このままいけば黒字化に近づいている。エコシステム貢献という評価を加えているため、純粋なモバイルの売上ではないが、楽天グループ全体として判断するという考え方だ。
楽天モバイルユーザーは楽天市場の平均利用回数が約4割多い
インターネットセグメントは売上収益が同4.4%増の3146億円、Non-GAAP営業利益が同54.2%増の212億円。前年がふるさと納税の駆け込み需要が売上を伸ばしたため、成長率は鈍化したものの、営業利益は大幅な増益を達成した。
楽天モバイルの楽天市場に対する貢献額では、契約者が12カ月で利用割合が15.7ポイント増加、平均流通額は契約者の方が47.9%多かった。楽天モバイルの契約者の平均利用回数は40.1%多い、ということだった。
フィンテックセグメントは、楽天銀行、楽天証券、楽天カード、楽天ペイメントといったサービスがいずれも順調。売上収益は12.8%増の2082億円、Non-GAAP営業利益は57.2%増の400億円だった。
特に楽天カードはショッピング取扱高が12.7%増で6兆円に達し、営業利益率も19.4%まで向上。Non-GAAP営業利益は53.9%の大幅増となる165億円となった。楽天カードはさらにみずほフィナンシャルグループとの戦略的資本業務提携を発表。個人向けには楽天ポイントがたまり、ATM手数料も優遇される提携クレジットカードを本年12月より提供する予定など、法人向けも加えてサービスを提供する計画だ。
楽天ペイメントも取扱高が拡大。コストコントロールが奏功したことで、2四半期連続で営業黒字が拡大し、Non-GAAP営業利益は33億円改善の14億円の黒字となった。
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