「iPhone 16」は小型スマホ愛好者でも満足できる? 「iPhone 13 mini」から乗り換えた率直な感想(2/3 ページ)
2021年に発売された「iPhone 13 mini」は至高の小型スマホだった。既に3年たったがminiの後継機が出ないので、「iPhone 16」に乗り換えた。無印の16を選んだ理由や、13 miniユーザー目線でのレビューをお届けする。
iPhone 13 miniからは明確に性能が向上 ゲームのプレイでも実感
スペックの比較では、iPhone 13 miniのA15 Bionicチップに対し、iPhone 16ではA18チップを搭載している。具体的なベンチマーク結果を見ると、iPhone 16の性能向上が明確に示されている。
Geekbench 6によるiPhone 16のベンチマークスコアは、シングルコアスコアが3233、マルチコアスコアが7831、GPU(Metal)スコアが2万8048となっている。
iPhone 13 miniと比較すると、iPhone 16はシングルコア性能で約47%(2199から3233へ)、マルチコア性能で約49%(5244から7831へ)、GPU性能で約52%(18481から28048へ)の向上を示している。
直近のiPhone 15 Proと比較しても、iPhone 16は性能向上を達成している。シングルコア性能では約11%(2908から3233へ)の向上が見られ、マルチコア性能も推定で10%以上の向上が見込まれる。GPU性能においても、約3.5%(27105から28048へ)の向上が確認されている。
A18チップの高性能は、日常的なタスクの処理速度向上だけでなく、これまでモバイルデバイスでは難しかった高度な処理も可能にしている。従来はコンソールやPC向けだった大作ゲームタイトルをモバイルでプレイできるようになったのも、この性能向上の恩恵だ。
「バイオハザード ヴィレッジ」や「アサシン クリード ミラージュ」といった大型タイトルがiPhone 16シリーズでプレイ可能になった。A18チップの高性能により、これらのゲームではレイトレーシングが採用され、リアルな光の反射や水の動きが再現されている。また、高いフレームレートでのプレイが可能となり、モバイルでありながらコンソールに近い品質でゲームを楽しめるようになった。既存のモバイルゲームでも、ロード時間の短縮や動作のスムーズ化といった改善が見られる。
この性能向上は、ゲーム以外の日常的な使用シーンでも顕著に感じられる。例えば、筆者が頻繁に利用するFirefoxでのX(旧Twitter)Web版の閲覧では、iPhone 13 miniで経験していたような速度低下がiPhone 16では全く感じられない。モダンなWebアプリのような、メモリ消費量の多いアプリケーションでも、スムーズな動作が維持されている。
複数のアプリを同時に起動している状態でも、アプリの切り替えがよりいっそうスムーズになった。これは、ゲームのような負荷の高いアプリケーションと日常的なアプリを頻繁に切り替えて使用する場合にも有効で、ストレスなく作業を継続できる。
端子がUSB Type-Cに バッテリーの持ちも向上
USB Type-C端子への変更は、ケーブルの汎用(はんよう)性と充電速度の向上のメリットが大きいと感じた。Lightning規格では最大20Wでの給電だったのに対して、iPhone 16ではUSB-PDベースなら最大27Wで給電できる。約30分の充電で本体容量の50%ほどが給電できるため、急いでいるときの充電にも対応できるようになった。また、MagSafe充電器を使用したワイヤレス充電もサポートしている。
ケーブルの汎用性については、日常的な使い勝手の向上を実感した。筆者は他にAndroidスマートフォンを数台併用しているが、Type-Cケーブルが併用できるだけで日々の煩わしさが大きく軽減された。例えば、外出時にケーブルを1本だけ持参すれば、iPhoneもAndroidも充電できるようになった。これまでは、iPhone用のLightningケーブルとAndroid用のUSB Type-Cケーブルを別々に持ち歩く必要があり、かばんの中でケーブルが絡まることも多かった。
ただし、データ転送速度に関しては、iPhone 16ではUSB 2.0相当の最大480Mbpsとなっており、Lightning端子を使用していた前モデルと比べて大きな変化はない。カメラからのデータ転送や動画用のストレージ接続などで、高速なデータ転送を期待する場合は、USB 3.0相当の転送速度を持つiPhone 15 ProやiPhone 16 Proシリーズを選択する必要がある点には注意が必要だ。
電池持ちも改善した。Appleの公式データによると、iPhone 16は通常の使用で最大20時間のビデオ再生が可能とされている。これは、iPhone 13 miniの17時間と比較して約18%の向上だ。
実際の使用感としては、1日の通常使用でバッテリー残量を気にする必要がほとんどなくなった。iPhone 13 miniを3年使用し続けてバッテリー残量が80%近い状態に落ちていた状態では、SNSなどを見ていると夕方にはバッテリーが尽きてしまう状態だった。
それがiPhone 16となると、朝7時に充電を外してから、SNSの利用、Web閲覧、音楽再生、約1時間の通話を含む通常使用で、夜10時の時点で30%程度のバッテリーが残っている。モバイルゲームも思う存分遊べる印象だ。
iPhone 16は急速充電にも対応しており、20W以上の充電器を使用すれば、約30分で50%まで充電が可能だ。
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