4キャリアの“ポイ活プラン”はどれがお得? 最新「auマネ活プラン+」を中心に比較してみた:スマホ料金プランの選び方(2/2 ページ)
KDDIは2024年12月3日に新プラン「auマネ活プラン+」の提供を開始しました。ドコモやソフトバンクでも同様のポイ活プランを展開しており、自社の経済圏への囲い込みが活発になっています。4キャリアのポイ活プラン比較や選ぶ際の注意点を解説します。
他社のポイ活プランと比較 auマネ活プラン+のメリットとデメリット
auだけでなく、他社でもポイ活プランを展開しています。ドコモは「eximo ポイ活」と「ahamo ポイ活」、ソフトバンクでは「ペイトク」です。また、楽天モバイルの最強プランにも、楽天モバイルでの買い物でポイントが還元される特典があります。ここでは、大手キャリアのポイ活プランを楽天モバイルも含めて比較します。
還元を含めた実質料金が最も安いのは楽天モバイルです。楽天モバイル契約者には楽天市場でのポイント還元率が4%アップする特典があり、最大で月2000ポイント還元されます。これを含めると、楽天モバイルはデータ使用量が20GB以上の月でも実質1278円で使えます。データ使用量が3〜20GB未満なら実質178円、3GB未満なら922円得する計算です。楽天市場での買い物が多い人は、たとえ通信を全くしなくても楽天モバイルを契約しておいた方がお得ですね。
また、auマネ活プラン+、eximo ポイ活、ペイトク無制限は、固定回線とのセット割、家族割、カード支払い割に加え、特定サービスでの一定額以上の決済をクリアしてこの料金です。楽天モバイルは誰もが条件なしで月額3278円ですし、家族割、シニア割、学割なども適用可能です。さらにアプリ「Rakuten Link」を使えば国内通話料金は無料でかけ放題です(一部の番号を除く)。3キャリアに比べると通信品質は劣るのが最大のデメリットですが、安さでは圧倒的といってよいでしょう。
楽天モバイルを除くと、最大の還元を受けた場合の実質料金は、無制限プランではeximo ポイ活が月額2728円と最も安くなりました。eximo ポイ活は通常料金は最も高いものの、還元は5500円分(5000ポイントをスマホ料金の支払いに充当した場合の実質的な割引)と高額です。終了日未定のキャンペーンにより還元率も10%と高いため、最大還元に必要な決済額は5万円と少なめです。
今回紹介したauマネ活プラン+は最安の実質料金では月額3678円と最も高くなりました。しかし、各社のポイ活プランは適用条件や還元方法が多岐にわたるため、料金以外も含めメリット/デメリットの検討が必要です。
例えばauマネ活プラン+は家族割プラスの対象外(回線数のカウントのみ対象)のため、契約が1回線のみの場合でも割引額が減りません。また、eximo ポイ活とahamo ポイ活の還元率は10%と高いように見えますが、これは終了日未定のキャンペーン期間中のみで、通常はdカード GOLDが5%、dカードが3%です。ペイトク無制限もプラン適用から3カ月は10%ですが、それ以降は5%に下がります。その点、auマネ活プラン+の還元はキャンペーンなしの額です。また、auマネ活プラン+には銀行の円普通預金金利が上がるといったメリットもあります。
一方、auマネ活プラン+は年会費無料のau PAYカードでは還元率が下がるため、年会費1万1000円のau PAY ゴールドカードが必須なのはデメリットです。また、eximo ポイ活はd払いかdカードで合計5万円以上利用すれば最大の還元が受けられるのに対し、auマネ活プラン+はau PAYとau PAY ゴールドカードでそれぞれ一定額の決済が必要なのも面倒です。
ちなみにソフトバンクのペイトクは、PayPayが使える店舗の多さが最大の強みでしょう。コンビニやチェーン店はどの決済にも対応していますが、小規模な店舗はPayPayのみといった場合も多く、決済額を積み上げやすいのが魅力です。
ポイ活プランを選ぶことは、経済圏を選ぶこと
ポイ活プランを選ぶ際に重要なのが、「ポイ活プランの選択は、経済圏の選択に直結する」という点です。経済圏とは、買い物や投資などの経済活動を通信キャリアを中心とした特定の会社/グループにまとめて得する仕組みのことです。最もポピュラーなのが楽天経済圏で、筆者も楽天経済圏にどっぷりつかっています。楽天以外の他キャリアも自社の経済圏への囲い込みに必死です。
特にポイ活プランはバーコード決済、クレジットカード、固定回線、銀行、証券会社の利用などで特典を得る仕組みのため、ポイ活プランを選ぶと、自動的に他サービスの選択も縛られます。例えば、auマネ活プラン+を選ぶと、バーコード決済はau PAY、カードはau PAYカード、固定回線はauひかり、銀行はauじぶん銀行、証券会社はauカブコム証券にするのがお得で便利なため、そちらに乗り換える人も多いでしょう。
通信キャリアだけならまだしも、クレジットカード、銀行や証券会社まで使い出すと、他社に乗り換えるのは大変です。つまり、ポイ活プランを選ぶと、自分がどの経済圏に属するかも決まってしまいます。逆に言えば、スマホはポイ活プランを契約するのに、スマホ以外は他社サービスを使うのは損です。ポイ活プランを選ぶ際は前章で比較した実質料金や条件に加え、「自分が今後どの経済圏を利用していくか」という視点でも検討が必要です。
以上、auマネ活プラン+の解説でした。auマネ活プラン+を含めた各社のポイ活プランは仕組みが複雑な上に、経済圏とも密接にかかわるため、慎重に検討が必要です。公式サイトで大々的にアピールされた還元率や実質料金だけでなく、細かい条件や注釈も含め、しっかり確認してから契約しましょう。上級者向けですが、うまく使えば各社のメインの無制限プランよりお得に使えます。
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