IIJ、総務省出身の谷脇康彦氏が新社長に 「経営体制のさらなる強化を図るため」
IIJ(インターネットイニシアティブ)にて、谷脇康彦氏が2025年4月から社長に就任する。谷脇氏は2022年1月にIIJに入社し、副社長として経営統括補佐を担当してきた。現社長の勝栄二郎氏は、2025年6月26日開催予定の株主総会にて取締役を退任し、特別顧問に就任する予定。
IIJ(インターネットイニシアティブ)が1月9日、同日の取締役会にて、代表取締役の異動について決議したことを発表した。
現代表取締役社長執行役員 Co-CEO & COOの勝栄二郎氏は取締役に就任し、現取締役副社長執行役員の谷脇康彦氏が代表取締役社長執行役員 Co-CEO & COOに就任する。異動予定日は2025年4月1日。
異動の理由は「経営体制のさらなる強化を図るため」としている。谷脇氏は社長就任にあたり、「これまでの路線をしっかり継承しつつ、データ連携など新規事業領域への取り組み強化、サイバーセキュリティ対応の強化、人材育成等にしっかり取り組んでいきたい」とコメントしている。
谷脇氏は1984年に郵政省(現総務省)に入省し、2013年月6に内閣審議官・内閣サイバーセキュリティセンター副センター長、2016年6月に総務省 情報通信国際戦略局長、2017年7月に同政策統括官(情報セキュリティ担当)、2018年7月に同総合通信基盤局長、2019年12月に同総務審議官(郵政・通信担当)を歴任してきた。2022年1月にIIJに入社し、副社長として経営統括補佐を担当してきた。
モバイル業界では“通信行政の顔”ともいえる存在だった。2007年に発表された「モバイルビジネス活性化プラン」の旗振り役として、分離プラン(回線と端末を分離した料金プラン)の普及やSIMロック解除の奨励、MVNOの促進などに尽力してきた。一方で2021年には、NTTと国家公務員倫理規程に違反する会食を行っていたことが判明し、同年に総務省を退官した。
なお、勝氏は2025年6月26日開催予定の株主総会にて取締役を退任し、特別顧問に就任する予定。現代表取締役執行役員 Co-CEOの鈴木幸一氏の役職に変更はない。
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