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「iPhone 16e」発売後に「中古iPhone SE」の売れ行きが倍増したワケ SE人気はいつまで続くのか(2/3 ページ)

伊藤忠グループのBelongは、「iPhone 16e」の発表に伴い、中古スマホ販売サイト「にこスマ」における「iPhone SE」シリーズの販売動向を発表した。携帯電話市場では、「iPhone SE(第3世代)」の在庫がキャリアで一斉になくなったり、小型スマホを求める声がSNSで一部見られたりした。iPhone SEシリーズはなぜここまで人気なのか……?

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中古iPhone SEはどんな用途で使われているのか OSサポートの打ち切りも懸念

 実際、iPhone SEはどのような用途で使われているのだろうか。大野氏は「LINEアカウント用途、Uber Eatsなどの副業用途」を挙げた上で、「メイン機のようにたくさんの動画やアプリを入れる必要がないため、(これらの用途であれば)64GBで十分だとおっしゃる方は多いかと思います」と話す。

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Uber Eatsの配達でも小型のiPhone SEが活躍しているようだ。配達員は、ドライバー用アプリをiPhoneにインストールし、配達リクエストの多いエリアを把握したり、配達先までのルートを確認したりしている(※画像提供:Uber Eats)

 「実際にアンケートで調査を行ったところ、メイン機の方がもちろん多いですが、サブ機になるとiPhone SE(第2世代)がより多く加わるイメージです」と大野氏は明かす。ただ、iPhone SEは第2世代も第3世代も人気のあるモデルだが、第3世代は「5G対応を果たしたモデルということもあり、長期利用を期待し、メインスマホとして、2万円前後少し高く支払って購入されている印象」(大野氏)を持っているようだ。

 ベースモデルのiPhone 8、7はどうだろうか。「修理サポートやOSのサポートが終了していることから、販売ランキングではiPhone SEよりは下位になっている。2023年の新しいiOS「iOS 17」では、ついにiPhone 8だけでなくFace ID対応の「iPhone X」がアップデートの対象外となった。

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Appleは2023年秋から提供している「iOS 17」の対象モデルから、iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone Xを外した

 「このタイミングからiPhone SEが上位に切り替わった」(大野氏)という。ただ、「iPhone SE(第2世代)もOSのサポートがAppleによって打ち切られるタイミングからiPhone SE(第3世代)への世代交代が始まると思います」と大野氏は補足する。

iPhone 16eはSEの代替えにならない iPhoneからAndroidに切り替える可能性もなくはない

 iPhone 16eもiPhone 8やiPhone SEのように価格が下がれば、中古市場における人気iPhoneのポジションを取れる可能性はあるが、iPhone 16eが「コンパクトさとホームボタンの代替えモデルではない」ことを理由に「しばらくはiPhone SE(第3世代)に対するニーズの高まりは続くのではないか」と大野氏は予測する。

 とはいえ、にこスマが2025年3月6日に発表した販売数ランキングでは、iPhone 16eとサイズ感の近いiPhone 13が4位、iPhone 12が6位にランクインしており、大野氏もiPhone SEの在庫が次第になくなってくると、「iPhone 13の低容量が(人気モデルの)メインになってくる」と考える。

 さらに、それを契機に「iPhoneからAndroidに切り替える可能性もなくはないと思います」とした上で、「『Google Pixel a』シリーズは2〜3年たてば、iPhone SE(第2世代)と同じ2〜3万円前後に落ち着いてくるケースもあり得ます」とする。「実際、『Xperia 5』の初期のモデルやOPPOの『Reno』シリーズ、『AQUOS R2/R3』はランキングに少しずつ入ってきている認識です」と大野氏は話す。

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大野氏によれば、iPhone SEの在庫が次第になくなってくると、iPhoneからAndroidに切り替えるユーザーが出てくる可能性があるようだ。画像は「Google Pixel 8a」

 ただ、ブランド力では圧倒的にiPhoneが強く、「そのまま(リセールバリューに)反映されてしまう部分はある」というが、iPhone SEと同じ価格帯でもスペックとしては少しいいものが買えることがあるため、そういったところ(価格面とスペック面)で検討いただく余地はあると思う」と付け加える。

 ブランド力は当然ながら買い取りの金額にも反映される。大野氏は「中古のiPhone SE(第2世代/第3世代)が枯渇すると、取引金額が上がり、買い取り金額も合わせて上がっていく可能性はあります」と、将来の買い取り額の変動を予測したが、具体的にどれくらいの金額になるかについては「今まさに試算中」と述べるにとどめた。

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にこスマのスマホ買い取り数ランキング(2025年2月)では、首位から順にiPhone 8、iPhone 13、iPhone SE(第2世代)と続くが、Androidのスマートフォンはランクインしなかった。iPhoneの圧倒的人気とブランド力などがランキングに反映されているようだ

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