「iPhone 16e」発売後に「中古iPhone SE」の売れ行きが倍増したワケ SE人気はいつまで続くのか(3/3 ページ)
伊藤忠グループのBelongは、「iPhone 16e」の発表に伴い、中古スマホ販売サイト「にこスマ」における「iPhone SE」シリーズの販売動向を発表した。携帯電話市場では、「iPhone SE(第3世代)」の在庫がキャリアで一斉になくなったり、小型スマホを求める声がSNSで一部見られたりした。iPhone SEシリーズはなぜここまで人気なのか……?
iPhone SEの人気が高まって枯渇しないようにするためには
iPhone SE人気で懸念されるのがiPhone SEの在庫だ。中古市場でiPhone SEの人気が高まると、在庫が足りなくなる可能性がある。仮に、iPhone SEが買い取りに出されず、家庭に眠り続けたままだと、iPhone SEは中古市場には出回らず枯渇してしまう。Belongでは、消費者がスマートフォンを売りに出す際の抵抗を払拭(ふっしょく)すべく、パートナー各社とのさまざまな取り組みを実施している。
2022年9月には、Amazon.co.jpのスマートフォン商品詳細ページや販売ページからにこスマ買い取りの申請サイトへ直接遷移できるようにした。2023年9月には、メルカリと提携し、新宿マルイ店でスマートフォンの出品サポートを開始。また、「あんしんデータ消去」サービスを導入し、メルカリユーザーがスマートフォンを売却する際に、Belongによるデータ消去を依頼できるようにした。2024年11月には、Back Marketとの協業を発表し、Back Marketのサイト上で中古デバイスの事前査定や買い取りの手続きを行えるようにした。
Belongは神奈川県座間市にオペレーションセンターを保有。データ消去から機能検査、外観の確認まで、中古スマートフォンを商品化するまでのオペレーションを一手に担っている。「あんしんデータ消去」サービスもこの施設を利用する
これらの取り組みによってスマートフォンを買い取りに出す心理的障壁が下がり、中古市場に出回る端末が増えれば、iPhone SEの流通量も増えることが期待される。
今回のインタビュー取材では、iPhone 16eが登場したことに伴い、iPhone SEの人気がさらに高まる一方で、iPhone SEの中でも(第2世代から第3世代への)世代交代が起きる可能性、さらには、安価なAndroidスマートフォンや型落ちしたハイエンドモデルが中古市場で花開く可能性があることが分かった。人気のiPhone SEが今後も多くの人の手に渡るようにするというBelongの動向にも注目したい。
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