Xiaomi Storeの展開から見える、日本市場の戦略変化 スマホはオープン市場重視に転換か:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
Xiaomiは、海外で発表されたばかりの「Xiaomi 15 Ultra」や「Xiaomi 15」の日本投入を発表。スマホ以外のワイヤレスイヤフォンやタブレット、IoT家電とその製品数は多岐にわたる。これらを一挙に展示、販売する拠点として、Xiaomi Storeの常設店もついにオープンする。日本市場の本格拡大に向けかじを切ったXiaomiだが、どのような販売戦略を立てているのか。
ついにオープンするXiaomi Store、海外での関係を生かしてイオンモールに出店
Xiaomi 15、Xiaomi 15 Ultraの投入に合わせ、Xiaomi Japanは日本で常設のXiaomi Storeをオープンする。冒頭で述べたように、3月、4月にそれぞれ1店舗ずつを展開。いずれも、埼玉県内にあるイオンモール内での出店になる。Xiaomiは2024年、東京都渋谷区の渋谷PARCO内に、ポップアップストアとしてXiaomi Storeを開設。現在は閉店しているものの、延長を重ねて国内でのショップ運営ノウハウを蓄積してきた経緯がある。
このころから、Xiaomi Japanは常設の店舗を国内でも展開する方針を掲げ、その可能性を模索していた。では、なぜイオンモールだったのか。実は、海外でも、Xiaomi Storeがイオンモール内に出展していたケースがあり、両社は以前から取引関係があったという。イオンモールの取締役執行役員 営業担当 坪谷雅之氏は、既に「アジアの26モールで、Xiaomi Storeを展開していただいている」と語る。
坪谷氏が「海外での活躍を見て、日本でもぜひ展開してほしいと継続的にお話をしてきた」と話すように、イオンモール側からも、Xiaomi Japanにラブコールを送っていた格好だ。「当社のショッピングモールにはファミリーのお客さまが多く来店いただいているが、Xiaomiのスマート家電は忙しい家族の時間を効率化し、より家族の時間が多く生まれる(ことに貢献している)」というように、イオンモールの客層と、Xiaomiが販売する商材がマッチしていることも、出店を持ちかけた理由だという。
実際、発表会では、Xiaomi 15やXiaomi 15 Ultraに加え、スマート家電やIoT製品などが多数発表された。スマート体重計やチューナーレスTV、室内用スマートカメラといったインターネットに接続するIoT製品だけでなく、エアフライヤーや掃除機などの一般的な家電まで多数取りそろえられた。これらをインターネットにつなぐ、メッシュWi-Fi対応のルーターまでそろえられていたほどだ。家庭の中の、あらゆるユースケースをカバーしようとしていることがうかがえる。確かに、こうした製品群と、ファミリー層が多いイオンモールは相性がいい。
坪谷氏が「“まずは”関東圏。今後、われわれが運営する日本全国のモールのお客さまにXiaomi Storeをご覧いただき、体感していただくことを引き続き取り組んでいきたい」と述べていたことから、埼玉県の2店舗を皮切りに、イオンモールへの出店を拡大していくことがうかがえる。国内だけで163のモールを抱えるイオンモールだけに、Xiaomiにとって、強力なパートナーになりそうだ。
もっとも、イオンモールはどちらかといえば郊外が中心で、東京23区のように比較的小型の店舗しかない地域もあるため、その他の出店も考えているようだ。Xiaomi Japanの副社長を務める鄭彦氏は、「立地条件にもよるが、必ずしもイオンモールだけになるというわけではない」と語る。拡大している中では、単独店舗のような出店形態を取る地域が出てくる可能性もある。
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