ライカスマホの頂上決戦、「Xiaomi 15 Ultra」と「Xiaomi 14 Ultra」を徹底比較 あえて14 Ultraを選ぶのもアリ?(2/2 ページ)
日本でも3月18日に発売されて話題の「Xiaomi 15 Ultra」。さらにカメラ性能が向上したが、2024年登場した「Xiaomi 14 Ultra」とはどこが進化したのか。今回はXiaomi 15 Ultraと2024年5月に発売されたXiaomi 14 Ultraを比較し、両者のカメラについて比較してみることにする。
スマホの基本性能も向上したXiaomi 15 Ultraを選びたい
新旧の「ライカを冠したフラグシップスマホ」として評価すると、後発なだけあってトータルの完成度の高さはXiaomi 15 Ultraに軍配が上がると感じた。一方で、より広い画角の超広角カメラや、メインカメラの可変絞りといったXiaomi 14 Ultraにしかない要素もある。
それらを加味しても、筆者はXiaomi 15 Ultraを勧めたい。もちろん、新しい機種だからということもあるが、従来の課題だった発熱問題やバッテリー持ちが改善されていること。大容量の1TBモデルを選択できる点が大きい。
Xiaomi 15 Ultraは新型の冷却機構を採用したことで冷却性能が向上し、より安定したパフォーマンスで動画撮影やゲームなど楽しめるようになった。バッテリー容量がXiaomi 14 Ultraの5000mAhから5450mAhへ増加していることも選択する理由になる。また、Xiaomi 15 UltraはeSIMにも対応している。
地味ながら、指紋センサーが超音波式となったことで認証精度が向上しており、指紋認証時のストレスが少ない点もありがたい。執筆時点でワイヤレスイヤフォン「Xiaomi Buds 5 Pro Wi-F」の最高音質モード”Qualcomm XPAN Audio”にも対応する唯一の存在であることも、選ぶ上では大きな要素だ。
Xiaomi 14 Ultraは1年落ちにはなるものの、可変絞りをはじめとした独自要素に加えて、中古市場では12から13万円前後で購入できる点が魅力に映る。プロセッサもSnapdragon 8 Gen 3を採用しており、多くの場面で性能不足はほとんど感じない。
カメラグリップも機能的な差はあまりないため、高い望遠性能が不要、可変絞りを用いた表現の写真が撮りたいのなら、Xiaomi 14 Ultraを「あえて選ぶ」という選択もアリだと思う。
もっとも「Xiaomi 15 Ultraがおサイフケータイに非対応なのが惜しい」と感じた方には、ライカ監修で近い設計思想のカメラを持つAQUOS R9 proという選択肢、Xiaomiにもライカ共同開発カメラを備えるXiaomi 14Tシリーズがある。ライカスマホも多くの機種を選べる点が日本市場の特徴だ。
ここで価格を見ていこう。Xiaomi 15 Ultraはストレージ512GBの仕様で17万9800円から。Xiaomi 14 Ultraはストレージ512GBでかつ、Photography Kit付属で19万9900円。Xiaomi 15 Ultraは為替面で2024年よりも不利な中、かなり攻めた価格に設定されている。
また、Xiaomi 14 Ultraで指摘された「Photography Kitは不要なので安くしてほしい」という声にも応えた。実機がないという声に対しては、大型の家電量販店に加えて、直販店舗のXiaomi Storeでも体験できるようにするなど、以前よりも手に取れる店舗数を増やすことで改善している。
Xiaomi 15 Ultraでは発売から1カ月の間に購入した方を対象にPhotography Kitを無料提供したため、早期購入はお得感が大きかった。以降の購入では特定のキャンペーンを除き、別途1万9980円が必要となるものの、セットで購入しても依然として20万円を切る設定だ。
機能面を考えると悩ましい2機種だが、基本性能やカメラ性能を加味するとXiaomi 15 Ultraに軍配が上がる。最新スペックと妥協のないカメラ性能を求めるのであればXiaomi 15 Ultraを、可変絞りなどの「唯一無二の要素」を求めるのであれば、Xiaomi 14 Ultraを選択するといい。できれば、両機種とも実際に手に取ってから選択してほしい。
著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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