Gemini、Wear OS搭載スマートウォッチで利用可能に Android AutoやAndroid TVにも
Googleは、生成AIモデル「Gemini」を「Wear OS」に搭載する計画を発表した。「Android Auto」「Android TV」「Android XR」などでも年内に利用可能にする。
米Googleは5月13日(現地時間)、「The Android Show: I/O edition」と銘打ち、複数のAndroid関連の新機能などを発表した。本稿ではその中から、生成AIモデル「Gemini」についての発表をまとめておく。
Geminiは、2023年12月に発表されたGoogleのマルチモーダルな生成AIモデル。モバイルアプリ版のGeminiは、世界の40以上の言語で利用可能であり、端末のカメラや画面に表示されるものについてリアルタイムで会話する「Gemini Live」が日本でも利用できるようになっている。
今回、スマートフォン以外の様々なAndroidデバイスにGeminiが搭載されると発表された。
Wear OS搭載スマートウォッチでGemini
「Pixel Watch」などの「Wear OS」搭載のスマートウォッチで、今後数カ月以内にGeminiを利用できるようになる。LTE版あるいはWi-Fiに接続した状態であれば、手元にスマートフォンがなくてもGeminiと会話できる。例えばリマインダーの設定やレストランの場所を尋ねることなどが可能だ。
応答は音声とテキストで行われ、よくある質問に対しては画像を含む視覚的な応答も提供するという。
Android AutoとGoogleビルトイン車でGemini
「Android Auto」には今後数カ月以内に、ホンダアコードなどのGoogleビルトイン車には今年後半に、Geminiが搭載される予定だ。運転中の安全のため、ハンズフリーの音声操作が中心になる。Googleマップと連携して複雑な場所や好みを含む質問(「充電できて、子供連れOKで評価が4つ星以上のグルテンフリー対応の店を探して」など)に対応したり、「メッセージ」アプリと連携してメッセージの要約や返信なども行う。また、Gemini Liveを使ってニュースの要約や本のあらすじを聞くこともできる。
なお、Googleビルトイン搭載車でのGeminiとの会話データが自動車メーカーと共有されることはない。
Google TVでGemini
1月のCESでも予告していたが、「Google TV」でも今年後半にGeminiの提供を開始する。
Google TVは、Googleが開発したスマートテレビ向けのプラットフォーム。ソニー、TCL、Hisenseなどのメーカーから発売されているスマートTVに搭載されている。また、「Google TV Streamer」などのストリーミング端末でも利用できる。
子供向けの年齢制限付きアクション映画を探したり、視聴している動画に関連する動画を表示させたりすることが可能になる。下の画像は、「太陽系について小学1年生に説明してくれる?」とGeminiに尋ねた結果の画面だ。テキストでの簡単な説明の下に、関連動画が並んでいる。
Android XRでGemini
「Android XR」は、昨年12月発表の、韓国Samsung Electronicsと協力して構築中の新しいXR(拡張現実)プラットフォーム。今年後半に最初のヘッドセットが発売される際に、Geminiが搭載されるという。
例えば、動画やマップ、現地情報などを周囲に配置しながら旅行の計画を立てるのを支援する。
Googleは、Geminiをあらゆる場所で、ユーザーの行動の流れの中で呼び出せるようにすることで、必要に応じて適切なタイミングでサポートできる状態を目指しているという。
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