iPhoneの「マイナンバーカード機能搭載」でできること/できないこと セキュリティは大丈夫?(2/2 ページ)
6月24日から、iPhoneにマイナンバーカード機能が搭載される。Apple Payと同様に生体認証だけで簡単にマイナンバーカードの機能が使えるようになる。自分で送信する情報を選べるため、「名前確認でカードを手渡したら、住所も見られた」といったことはない。
マイナ免許証のスマホ対応、Androidへの搭載は?
マイナ免許証は、マイナンバーカードのICチップ内に別アプリとして保管されており、現状はマイナンバーカード機能のスマートフォン搭載とは異なる仕組みのため対応しない。ただ、政府の方針ではスマートフォンに内蔵するモバイル運転免許証の導入を早期に実施することになっている。マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載で使われているデータ形式はmdocで、その運転免許証向けのmDLはiPhoneもAndroidも対応しているため、対応自体は可能。平大臣も警察庁と検討を進めていくと話す。
mdocに関してはAndroidのGoogleウォレットも対応しているため、Android端末向けにも電子証明書だけでなく属性証明機能の搭載は可能だ。平大臣は、「具体的な時期を言うのは難しいが、早期の搭載に関してGoogleと話を進めている」としている。
マイナンバーカード機能の利用拡大に寄与する
日本ではスマートフォンの半数近くがiPhoneで、今までマイナンバーカード機能が搭載できていなかったことから、利用シーンの拡大も遅れていた。現状のAndroid向けのスマホ用電子証明書搭載サービスでは暗証番号入力が必要なシーンもあって、UI/UX上の課題が指摘されていた。
これまで、マイナンバーカードの電子証明書を使う場合も4桁の暗証番号または6桁以上のパスワードが必要で、これを忘れてしまって使えなかったという事例も多く発生。平大臣自身も、かつてカードの暗証番号を忘れてロックがかかってしまったことがあったという。
iPhoneではTouch ID/Face IDが利用でき、Apple Payでも親しまれているUI/UXでマイナンバーカード機能が使えるようになるため、平大臣もマイナンバーカード機能の利用拡大に寄与すると期待する。また、「デジタル敗戦」とも言われることもある日本のデジタル化の遅れに対して、世界的にも最初の「国民IDカードのiPhone搭載」が実現することによって改善/進展することに期待を寄せている。
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