OPPOのAI戦略がAppleやサムスンと違う理由 8万円以下のスマホにもフル装備、ミッドハイ競争で優位に立てるか:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)
OPPO(オウガ・ジャパン)が発表した新型スマートフォン「Reno13 A」と「Reno14 5G」には、「OPPO AI」という共通項がある。エントリーモデルからハイエンドまで共通のAIを載せ、それを広げていくのが同社の戦略だ。それぞれ性能が異なる端末にAIを搭載するため、OPPOはクラウド処理を選んだ。
OPPOブランドのスマホを日本で展開するオウガ・ジャパンは、6月19日にスマホとタブレットを計3機種発表した。1つ目が、同社が日本市場で主力にしているReno Aシリーズの最新モデルとなる「Reno13 A」。もう1つが、より性能が高いミッドハイの「Reno14 5G」だ。タブレットは、別売の専用キーボードやペンも用意したミッドハイの「OPPO Pad 3 Matte Display Edition」を発表した。
3機種は、その価格帯なども大きく異なるが、共通項もある。それが、同社が独自に実装した「OPPO AI」だ。いずれのモデルもAndroidベースのため、Geminiは利用できるが、その上でOPPO端末全体の特徴としてOPPO AIを盛り込んでいる。エントリーモデルからハイエンドまで共通のAIを載せ、それを広げていくのが同社の戦略だ。その詳細を解説していく。
“主力”のReno13 Aとグローバルモデルの早期投入を狙ったReno14 5G、タブレットも展開
Reno13 Aは、Reno Aシリーズの最新モデルだ。同機は、日本仕様を取り込んだミッドレンジモデルという位置付け。プロセッサにはSnapdragon 6 Gen 1を採用する。徐々にデザインなどはグローバルモデルとの共通化が図られるようになってきたが、おサイフケータイなどの機能は健在だ。キャリアモデルとしても定番的になりつつあり、日本市場におけるOPPOの主力製品といえる。
オウガ・ジャパンの専務取締役を務める河野謙三氏は、「マストだと思っている(販売台数)のは30万台。そこからの先の数字も、ぜひやっていきたい」と意気込みを語る。同機は、オープンマーケット版の価格は4万8800円で、これに加えてソフトバンクのY!mobileやKDDIのUQ mobile、楽天モバイルが取り扱うことも決まっている。
同じRenoシリーズで少々紛らわしいが、もう1機種のReno14 5Gは、グローバルモデルを最小限のカスタマイズで日本市場に投入するモデルだ。河野氏によると、2024年12月に発売された「OPPO Find X8」と同様、「いち早く日本のお客さまにOPPOの新端末を使っていただきたい思い」で発売を決めたという。実際、Reno14 5Gは5月に中国で発表されたばかりの端末。日本での発表は、「(中国から見た)海外市場では初」になるという。
河野氏が「価格と性能の黄金比」と語るように、Reno14 5Gはプロセッサにミッドハイ向けの「Dimensity 8350」を搭載しつつ、カメラも広角と望遠の2つが5000万画素で、かつ光学式手ブレ補正に対応している。カメラユニットまで1枚のガラスで仕上げた背面のデザインは高級感もある。一方で、早期投入を目的としているため、おサイフケータイなどの日本仕様には非対応だ。
この2機種に加え、オウガ・ジャパンはタブレットのOPPO Pad 3 Matte Display Editionも投入する。その名の通り、光の反射を防ぐマットディスプレイを搭載しており、プロセッサにはReno14 5Gと同じMediaTekのDimensity 8350を採用。筆圧検知に対応した「OPPO Pencil 2」や、専用キーボードの「OPPO Pad 3 Smart Keyboard」などもオプションとして販売する。
ミッドレンジモデルのReno13 Aと、ミッドハイのReno14 5G、Pad 3では、その処理能力が大きく異なる。また、スマホの2機種とタブレットでは、製品ジャンルも分かれている。一見すると、バラバラに見えるOPPOの新モデル3機種だが、1つの機能で共通性も持たせている。それが、OPPO独自のAI機能である「OPPO AI」だ。「エントリーモデルからハイエンドまで、全ラインアップにAIを搭載する」(同)というのがOPPOの戦略。3機種は、その象徴ともいえる。
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