言うほど複雑? 料金プランを「ドコモ MAX」に乗り換えてみた:ふぉーんなハナシ
NTTドコモの新料金プラン「ドコモ MAX」は、今のところ順調な滑り出しを見せているようです。実は、私も発表日にプラン変更していたんですよね。
6月5日、NTTドコモが新料金プラン「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ mini」の提供を開始しました。
- →ドコモ、月550円からの「irumo」受付終了へ 代替えの新プランは「4GBで2750円」「10GBで3850円」の“2択”に
- →ahamoは死なず続投、ドコモ新料金「MAX」「20GB」など一挙投入 ポイ活で毎月最大5000p還元
ドコモ MAXについては、「DAZN for docomo」(月額4200円)がバンドルされていることに賛否両論が集まったり、発表時に全ての値引きを適用した後の価格を真っ先に提示したことに批判が集まったりと、波乱(?)を予感させる展開となりました。しかし、ドコモの前田社長によると「計画通りで、悪くない出だし」とのことで、実際は一定の評価を得ているようです。
実は私も、6月5日にドコモ回線の料金プランを「eximo」から「ドコモ MAX」に変更していて、約1カ月経過したところです。とある筋から「なぜ変更したのか、理由をまとめて記事にしてみたら?」との意見を頂いたので、思うところをまとめてみようと思います。
プランは言うほど複雑じゃない
先述の通り、ドコモ MAXは全ての値引きを適用した後の価格を真っ先に提示したことに批判が集まりました。私個人としても「割引後を真っ先に出すのはどうなの?」「税別価格を大写しにするのはいかがなものか?」とは思うところですが、冷静に見てみると、言われるほど「複雑」な料金プランとは思えません。
まず、基本料金は1カ月間に使ったデータ容量による3段階制で、税込み価格は以下の通りです。
- 1GBまで:5698円
- 1GB超3GBまで:6798円
- 3GB超:8448円
「使った容量によって料金が変わる」ことを複雑というのなら、他キャリアの同種プランも「複雑」ということになります。
基本料金の割引のうち、条件を満たせば誰でも定常的に適用されるものは以下の通りです。
- みんなドコモ割(複数回線割引)
- 2回線:550円
- 3回線以上:1210円
- 長期利用割引(契約期間に応じた割引:※1)
- 10年以上20年未満:110円
- 20年以上:220円
- dカードお支払割(「dカード」で料金を支払う際の割引)
- dカード(一般カード)契約者:220円(※2)
- dカード GOLD U/GOLD U/PLATINUM契約者:550円
- ドコモ光セット割/home 5Gセット割(「ドコモ光」「home 5G」契約者の割引)
- 契約あり:1210円
- ドコモでんきセット割(「ドコモでんき」契約者の割引)
- 契約あり:100円
(※1)2025年9月利用分までは、月間データ容量が1GB以下の場合は対象外
(※2)現在はキャンペーンで割引額を550円に引き上げ
これらも条件を満たしているか否かですぐ分かる上、単純に引き算すればいいだけなので「複雑」とは思えません。筆者の場合、割引は「みんなドコモ割(1210円)+長期利用割引(220円)+ドコモ光セット割(1210円)=2640円」なので、割引後の価格は以下の通りです。
- 1GB未満:3058円(9月までは220円増し)
- 1GB超3GBまで:4158円
- 3GB超:5808円
私の場合、「Amazonプライム」の会費をドコモ経由で支払うように変えたので、プラン変更後6カ月間はAmazonプライムの月額会費相当額(600円)も割り引かれます。
ただ、プラン変更手続き時に料金提示で反映されたのはAmazonプライム利用者向けの割引だけでした。ここは、自分の契約で適用される割引を反映して提示してほしかったなと思う次第です。料金シミュレーションなら反映できるのですが……。
1133円プラスすれば「DAZN for docomo」を楽しめる
賛否両論あるDAZN for docomoのバンドルですが、従来契約していたeximoに月額1133円プラスすれば見られると考えるとかなり“お得”です。
私は過去にDAZN for docomoを契約していたのですが、相次ぐ値上げでいったんやめてしまいました。しかし「月額1133円だったらまた契約してもいいかな」と思い、ドコモ MAXを機に“復活”することにした次第です。何だかんだでTVなどでスポーツ中継を見ることは多く、「DAZNを契約しておけばポートフォリオが増えるな」と判断したこともあります。
なお、DAZN for docomoを契約していない場合は、プラン変更時に契約を促されます。ドコモ MAXであれば追加料金は発生しないので、チェックを入れて契約してしまいましょう。
My docomoでドコモ MAXにプラン変更しようとすると、DAZN for docomoが未契約だと契約を促す表示が出てきます。ここでチェックを入れて進むと、DAZN for docomoの契約も一括して行えます
海外テザリングが無料(データプラス込みで30GBまで)
海外に渡航する際、最近は「世界そのままギガ」を使って通信をこなしています。ローミングをすることで、海外からのアクセスが制限されるWebサイトやWebサービスにアクセスしやすいのが大きなメリットです(一部を除く)。
現在、世界そのままギガは1日当たり980円(70の国/地域では「国・地域限定割プラン」もあり)で利用きますが、ドコモ MAXでは2025年秋からは追加料金なしで利用できるようになります。これは非常にありがたいことで、プライベート/オフィシャルを問わず海外でデータ通信がしやすくなります。
なお、私のドコモ回線は「5Gデータプラス」回線とひも付けをしているのですが、世界そのままギガ(≒海外利用分)の月間データ通信量は、5Gデータプラスの利用分と合算で30GBとなります。「ここも無制限だったらうれしいのにな」と思わなくもないですが、国内のデータ通信は≪テザリング込みで無制限>なので、これだけの容量でも基本的には十分です。
「DAZNの強制バンドル」が意見が分かれるドコモ MAXですが、利用スタイルによっては一定のメリットがあります。正直、ドコモは「私のようなユーザーを狙ってこのプランを作ったのでは?」と思ってしまうところがあります。
ただ、バンドルがDAZN for docomo“だけ”なのは、ある意味でユーザーのアップセル(上位プランへの乗り換え)における障壁になるんじゃないかと思ったりもします。もうちょっと、バンドルするサービスを柔軟に選べるといいのになと、思う今日この頃です。
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