最上位スマホ「HUAWEI Pura 80 Ultra」レビュー 驚異のカメラ性能、制裁回避の技術で“中国メーカーの意地”を見た(1/3 ページ)
Huaweiのフラグシップモデル「HUAWEI Pura 80 Ultra」の実機を入手したので、レビューしていく。望遠カメラに大型センサーを採用しており、9.4倍の光学品質ズームが可能。日本で使うには独自OSのHarmonyOS NEXTが大きな障壁だが、Huaweiの技術力をまざまざと見せつけられた。
Galaxy、Pixel、iPhone、Xiaomiといった新型スマートフォンが沸き立つ中、中国ではHuaweiのフラグシップスマートフォン「Pura 80」シリーズが話題だ。今回、筆者は最上位モデル「HUAWEI Pura 80 Ultra」の実機を入手したので、レビューしていく。
なお、日本では電波法第103条の6の解釈のもと「海外で開通した携帯電話」を持ち込んで確認を行った。
制裁下でも今期トップクラスのカメラ性能 望遠カメラは3.7倍と9.4倍でズーム切り替え
最初にカメラ性能から見ていこう。HUAWEI Pura 80 Ultraは高いカメラ性能を備えており、メインカメラに5000万画素の1型センサーを採用。特許取得済みの可変絞り機構も備えている。センサーはソニー製ではなく、今回は中国メーカーが製造したことが明かされている。なお、Pura 70 Ultraで話題となったカメラ使用時にレンズ部が飛び出す機構は廃止された。
これに加えて4000万画素の超広角カメラ、5000万画素の1/1.28型という大型センサーを採用した3.7倍望遠カメラに加え、正確な色を識別するスペクトルカメラが搭載されている。
望遠カメラのレンズは3.7倍の状態でF2.4と明るく、最短撮影距離は約30センチと比較的寄れる。1/1.28型という望遠カメラとしてはかなり大型のセンサーを採用し、デジタルズーム込みで最大100倍の望遠域をサポートする。
さらに、特徴的な新機構が望遠カメラに採用されている。Pura 80 Ultraはペリスコープ方式ながらメカ機構でレンズを変更し、物理的に焦点距離を変えることができる。
本機種ではズーム倍率が3.7倍と9.4倍で、被写体との距離に応じてレンズが物理的に切り替わる。切り替え時はメカ機構が動作するので、カチッという音と共にミラーショック(一眼レフカメラ内のミラーが撮影時に跳ね上がることで発生する振動)のような大きめの振動がある。
仕組みとしては光学望遠のように思えるが、9.4倍撮影時はスマホ本体の物理的制約の関係から、望遠カメラのセンサーをクロップして使うことになる。そのため、厳密には光学望遠とは言い切れない部分があり、9.4倍でレンズが切り替わった際は1250万画素での撮影となる。
5000万画素撮影モードをはじめ、一部機能は利用できなくなるものの、基本性能の高いイメージセンサーをクロップして使用すること、物理的なレンズ構成を採用したことで、Huaweiは先代のPura 70 Ultraよりもきれいに撮影できると訴求している。
また、独自の画像処理技術となるHuawei image XMAGEも引き続き採用。ライカとの提携が終了したHuaweiにおいて、技術革新、撮影体験の革新を目的に新たな画像処理技術のブランディングとして展開される。
Pura 80 Ultraの写りを見て感じるものは、HDR補正が大きく入り、白飛びがかなり抑えられていることが分かる。いわゆるAI補正重視の機種となるため、撮影時のプレビューと撮影後の写真では異なる描写となることが多く、体感的にはPixelシリーズなどに近い
Huaweiが得意な分野はやはり料理の写真だ。AIが料理を認識するとF3.5やF4と絞って撮影するので、変にボケたり流れたりする描画が少なくキレイに撮影できる。大型センサーでも可変絞りを生かした表現だ
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