ソフトバンクが音声通話に「VoNR」を導入開始 Xperia 10 VII(ソフトバンク向け)から順次対応
ソフトバンクがスタンドアロン構成の5Gネットワークで音声通話を実現する「VoNR」を導入する。10月9日に発売する「Xperia 10 VII」のソフトバンク向けモデルから順次対応端末を拡大していく。【追記】
ソフトバンクは10月2日、SA(スタンドアロン)構成の5Gネットワークにおいて音声通話機能を実現する技術「VoNR(Voice Over NR)」を10月9日から提供することを発表した。対応端末が5G SA提供エリアに在圏している場合に利用可能で、10月9日に発売する「Xperia 10 VII」のソフトバンク向けモデルから順次対応端末を拡大していくという。
【追記:12時55分】通話時の挙動について追記を行いました
VoNRとは?
5Gネットワークに接続している端末で音声通話をする場合、従来は「VoLTE(Voice Over LTE)」を利用していた。VoLTEはLTE(4G)ネットワークを通して音声通話を行うため、通話中は5Gエリアでもデータ通信をLTEに切り替えて行っていた。
それに対して、VoNRは5G NR(5G New Radio:5Gの規格名称)のSA構成ネットワークで音声通話を行うため、LTEネットワークへの切り替えが不要となる分、よりスムーズに通話を開始できることがメリットだ。ソフトバンクによると、VoLTEと比べると通話開始までの時間は約2秒短縮できるという。
ただし仕組み上、VoNRは5G SAエリアの一部で利用可能となっており、非対応エリアでは従来通りVoLTEを使った通話となる。ソフトバンクでは、VoNRによる音声通話が可能なエリアをPDF形式で公開しているので、参考にしてほしい。
- →VoNR対応エリア一覧(PDFファイル)
通話時の挙動について
VoNRで通話を開始した場合、VoNR非対応エリアに移動すると自動的にVoLTEへと切り替えることで通話を継続可能だ。一方、VoLTEで通話を開始した場合、VoNR対応エリアに入ってもVoLTEのまま通話が続くことになる。
発売済みの5G SA対応端末におけるVoNR通話への対応は「現在検討中」(ソフトバンク広報本部)とのことだ。
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