ノイキャン向上の「AirPods Pro 3」レビュー:Pro 2との比較で分かったこと 最も試したかった機能はお預け(2/2 ページ)
Appleが9月19日に発売した完全ワイヤレスイヤフォン「AirPods Pro 3」は、大きな進化を遂げた。アクティブノイズキャンセリングの性能が先代と比較して2倍になり、Appleのイヤフォンとしては初めて心拍数測定機能を搭載している。AirPods Pro 3が先代からどう進化したのか、比較して分かったことを中心にレビューする。
イヤフォン単体での心拍数測定が可能も、データは見づらい
AirPods Pro 3には、耳に着けているだけで心拍数を測ることができる新しいセンサーが初めて搭載された。iPhone向けの「フィットネス」「ヘルスケア」というアプリと一緒に使うと、ランニングやヨガなど50種類以上の運動をしている最中の心拍数や、消費カロリーを自動で記録し、把握するのに役立てられるという。
AirPods Pro 3単体で計測した心拍数データは確認しづらい。例えば、フィットネスアプリの場合、「心拍数」から「データソースとアクセス」、そして「Bluetoothデバイス」の順にタップすると、AirPods Pro 3単体で計測したこと自体は把握できるが、アクセスするまでの手順が多い。Appleによると、AirPods Pro 3とApple Watchの両方を同じiPhoneにペアリングしている場合、Apple Watchの計測データが優先して表示されるとのことだ。
「心拍数」から「データソースとアクセス」、そして「Bluetoothデバイス」の順にタップすると、AirPods Pro 3単体で計測したこと自体は把握できる。フィットネスアプリ内での操作手順が多く、確認しやすいとはいいづらい。とはいえ、イヤフォンで計測して確認できること自体は機能面での進化を感じる
また、Androidスマートフォンでは心拍数データの確認はできず、あくまでiPhoneとの組み合わせで機能性を発揮する。
期待の「ライブ翻訳」機能はまだ試せず
言葉の壁をなくす、まるで“翻訳こんにゃく”のような機能も追加された。「ライブ翻訳」というこの機能を使えば、外国語を話す人と対面で話す際に、お互いの言葉をリアルタイムで翻訳してくれる。例えば、自分がイヤフォンを装着して日本語で話すと、相手のiPhoneの画面には相手の国の言葉で文字が表示される。逆に相手が話した言葉は、イヤフォンを通じて日本語に翻訳された音声で聞こえる仕組みだ。
「ライブ翻訳」という機能を使うことで、イヤフォンを装着したまま相手と会話でき、言語の翻訳結果がイヤフォンで聞き取れる。画像はiPhoneで初期設定を行う際に表示される画面。機能の利用には、あらかじめ言語のダウンロードが必要になる
この機能の提供は、まず英語やフランス語などで始まり、2025年末までには日本語にも対応する予定だ。レビュー時の10月24日時点では試すことができなかった。しかし、海外旅行や外国人の友達との会話がよりスムーズになるため、対応したら真っ先に使いたいと感じた。
サイズと重量はどう違う? ペアリングボタンは省かれた
最後にイヤフォンと充電ケースの仕様を確認したい。
AirPods Pro 3のイヤフォンは、前モデルであるAirPods Pro 2と比べて形状のバランスがやや変化している。高さは同じ30.9mmだが、幅は21.8mmから19.2mmへと2.6mmスリムになり、厚さは24.0mmから27.0mmへと3.0mm増している。そのため、全体的には横方向がスリムになりつつ、奥行きがわずかに増した印象だ。重量は5.3gから5.55gへと0.25g重くなっており、形状の微調整によって質感やフィット感の最適化が図られているとみられる。
一方でMagSafe充電ケースは、AirPods Pro 3の方がわずかに大きく、かつ軽量化されている。高さは45.2mmから47.2mmへと2.0mm高くなり、幅も60.6mmから62.2mmへと1.6mm広がったが、厚さは21.7mmから21.8mmへとほぼ変わらない。興味深いのは重量で、50.8gあった前モデルに対し、AirPods Pro 3では43.99gと6.81gも軽くなっている。全体的にはサイズがやや拡大したものの軽量化されたことで、携帯性は損なわれていない。
Apple製品とのペアリングの方法は従来通りで、ふたを開けるだけでiPhoneやiPadの画面にペアリングを促すメッセージが表示され、簡単にペアリングが完了できる仕組みだが、Androidスマートフォンとのペアリングはやや苦戦した。AirPods Pro 2にあった背面のペアリングボタンがAirPods Pro 3にはないためだ。AirPods Pro 3ではケースのふたを開けてAndroidスマホに近づけてから、ケースの正面をダブルタップすると、ステータスランプが白く点滅しペアリングが可能になる。
総括:AirPods Pro 2から大幅進化を遂げたPro 3
このように、AirPods Pro 3は先代のAirPods Pro 2から大幅な進化を遂げた。特にアクティブノイズキャンセリング性能は、確実に向上していると実感できた。一方で、イヤフォンに心拍数の計測が必須の機能であるか問われると、素直に首を縦に振れない面もある。それよりも魅力を感じたのが翻訳の機能だ。海外の空港へ行く際などに翻訳機を別途携帯せずに済み、荷物を減らせそうだと期待している。
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