SuicaとPASMOが共同でコード決済を提供するワケ 「teppay」が目指す“キャッシュレス疲れ”の解消(1/2 ページ)
JR東日本、パスモ、PASMO協議会は11月25日、2026年秋以降に新コード決済「teppay」を提供すると発表した。会見では名称の意図や開始時期、機能、利用者調査に基づく開発背景を説明した。teppayはモバイルSuicaとPASMOのアップデートとして実装され、新アプリ不要で利用できる。
JR東日本、パスモ、PASMO協議会は11月25日、2026年秋以降に新しいコード決済サービス「teppay(テッペイ)」を提供すると共同で発表した。同日会見を開き、サービス名称に込めた意図や、提供開始までのスケジュール、搭載機能、利用者調査を踏まえた開発背景を説明した。
teppayはモバイルSuicaとモバイルPASMOのアップデートとして実装され、既存アプリにそのまま機能が追加される形で展開される。新たなアプリの導入や煩雑な初期設定が不要となる点を特徴としている。
teppayサービスに込められた3つの価値 現在のモバイルSuica/PASMOからそのまま使える
JR東日本の中川晴美常務は、teppayサービスに込めた3つの価値を説明する。1つ目は移動や旅を軸に利便性を高める「Travel」。2つ目は幅広い利用者にとって理解しやすく扱いやすい「Easy」。3つ目は人と地域をつなげる「Partnership」で、事業者間の垣根を越えて連携する姿勢を示した。モバイルSuicaでは2026年秋以降に、モバイルPASMOでは2027年春にteppay機能を実装する。
JR東日本の中川晴美常務は、サービスに込めた3つの主要価値を提示した。第1は、移動や旅を軸に利便性を向上させる「Travel」。第2は、幅広い利用者層にとっての分かりやすさと扱いやすさを追求した「Easy」。第3は、人と地域との密接を強化する「Partnership」だ。これらがサービスの根幹を成している
teppayの大きな特徴として、中川氏は「そのまま使える」点を挙げた。現在3500万人以上が利用するモバイルSuicaとモバイルPASMOが対象となり、アップデート後はアプリ内のワンタップでteppayに切り替えられる。さらに、起動時の初期画面をteppay表示に固定する設定も選べる仕様とした。もう1つの特徴は「アプリを超えてつながる」点で、両アプリ利用者が残高の送金や受け取りを相互に行えるようになる。
中川氏はteppayの特徴に「そのまま使える」点を挙げた。3500万人超のモバイルSuica・PASMO利用者が対象で、更新後はワンタップで切り替えられ、初期画面への固定も可能だ。もう1点は「アプリを超えてつながる」こと。両アプリ間で残高の送金・受取が相互に可能となる点が大きな強みだ
モバイルSuicaアプリをアップデートすると、画面下部にteppayのタブが表示され、それをタップするだけで、モバイルSuicaからteppayへの切り替えが完了する。開発中のアプリでは、機内モードでの表示が可能だったが、実際は機内モードなどネットワーク環境のない場所では切り替えができないとのこと
teppayはスマホ内の交通系ICカードと連動することも特徴となる。同一アプリ内でコード決済残高を交通系ICへチャージしたり、定期券を購入したりできる仕組みを備える。コード決済、電子マネー決済、オンライン決済をまとめて扱えるようになることで、決済手段をアプリ内に集約できる構造を整えた。中川氏は、送金機能を利用した交通費の受け渡しが家庭で利用される場面を例に挙げ、送信した残高を子どもがそのまま定期券購入に使える具体的な利用イメージを示した。
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