「eSIM」は人類にとって早すぎる? 携帯電話ショップ店員に聞いたら意外な答えが:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」(1/3 ページ)
Appleが発売した「iPhone 17シリーズ」「iPhone Air」の日本向けモデルは、“eSIMオンリー”であることが大きな話題となった。eSIMについて、携帯電話の販売スタッフはどう思っているのか、話を聞いてみた。
Appleがi「Phone 17シリーズ」と「iPhone Air」を発表した際に、話題になったのが「eSIM」だ。日本では、iPhone AirだけでなくiPhone 17シリーズもeSIMオンリー構成となり、従来の物理的なnanoSIMカードは非対応とされた。
nanoSIMカードに対応しなくなったことで、端末にトラブルが生じた場合に別の端末にSIMカードを差し替えて対応できなくなった。そのことから「今までよりも、使い勝手がむしろ悪くなるのでは?」「端末(iPhone)のトラブル時に、特にリテラシーの低いユーザーは混乱するのでは?」といった反応が多く見られた。
また、同時に「店頭の販売スタッフがeSIMに不慣れで、そこでトラブルが起きそう」といった声も目立っていた。eSIMに関して、何らかのトラブルや特徴的な問い合わせはあったのか――携帯電話の販売スタッフ複数人に話を聞いてみた。
「eSIMオンリー」でも意外と平穏だった売り場
まず、iPhone 17シリーズの発売から数日の間に、購入手続きでeSIMに絡んだトラブルがあったか、あるいは顧客からのどのような問い合わせがあったのか聞いてみた。
eSIM自体は、(日本では)「iPhone XS」「iPhone XR」世代のiPhoneから対応していますし、Androidスマートフォンでも多くの機種が対応するようになりました。なので、購入される機種にもよりますが、お客さまから希望があればeSIMでの手続きを進めることは以前からありました。
スタッフ全員が慣れているとまでは言いませんが、手続きを進める側としてはそこまで困ることはなかったです。
スタッフの手続きよりも、お客さまに説明するのにちょっと手間取りました。今まで、eSIMを希望されるお客さまは私たちスタッフよりも知識のある人が多かったこともあり、説明が大変ということはありませんでした。
しかし、最新モデルのiPhoneともなると、「数年ぶりの機種変更です!」みたいな“普通の”お客さまも多くて「eSIMってなに?」(という質問)から始まることが多かったです。「今まで(のnanoSIMカード)と何が違うのか?」という説明は、ちょっと大変でした。
eSIMについて説明していくと、やっぱり言われるのは「端末が故障した時はどうするの?」という点です。今まではSIMカードを差し替えれば、前に使っていた機種を使うとか、トラブル時でもどうにか使えるようにはできました。「それができなくなっちゃうのはちょっと不便そう」といった声は、自分が対応したお客さまだけでなく、他の販売スタッフ、他事業者の売り場でも結構多かったようです。
まあ、だからこそ「補償サービスに加入しておけば〜」といったアフターサポートの訴求がしやすくなりました。ここは(販売面における)eSIMの恩恵かもしれません。
お客さまの中には「昔の携帯電話みたいだね」という話をする人もいました。確かに、日本では、契約情報(電話番号)を端末に直接書き込むものが主流だった時代もありましたからね。
そういうお客さまは、「何かあったらショップに来ればどうにかしてくれるんでしょ」という感じで、トラブルに遭ったときにどうしたらいいかの理解も深いので、案内としては楽でした。
思ったよりも、eSIMに関するネガティブな話は少ない。販売スタッフについても、eSIMに関する手続きを行ったことがある人も多いようで、特に都心部の店舗ではスタッフが手間取ってしまうということもなかったとのことだ。
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