カーライフで「CarPlay」が手放せない理由 普段のスマホ体験がクルマに拡張、ただし見落としがちな注意点も(1/2 ページ)
筆者が愛用しているスマートカー「BYD SEAL」で、CarPlayは欠かせないツールとなっている。CarPlayの使い方はとてもシンプルで、有線なら車内の対応するUSB端子に付属のケーブルでiPhoneを接続するだけでよい。データ容量やテザリングの併用など、注意点もある。
「CarPlay」は、Appleが提供する車載インフォテインメントシステム向けの拡張機能だ。iPhoneを対応する車両に接続することで、地図アプリや音楽、メッセージなどを車載ディスプレイから直接操作できる。
シンプルで視認性の高いUI(ユーザーインタフェース)を持つことに加え、「Siri」による音声操作にも対応する。スマホへの依存が進む現代において、まさに“車に最適化されたスマートフォン”を実現する仕組みといえる。筆者が愛用しているスマートカー「BYD SEAL」でも、CarPlayは欠かせないツールとなっている。今回は改めて、CarPlayの魅力をレビューしたい。
CarPlayの初期設定は簡単 iPhone 5以降の幅広い機種で使える
CarPlayの使い方はとてもシンプルだ。有線であれば車内の対応するUSB端子に付属のケーブルでiPhoneを接続するだけ。操作方法は車両によって異なるが、多くの場合はインフォテイメント内の「CarPlay」の項目を選択する。これだけで自動的に車両と接続されて、CarPlayを利用できるようになる。これはiPhone 15以降のUSB Type-C端子になった機種も同様だ。
車両がワイヤレス接続に対応している場合は、事前に車両とiPhoneをひも付けるペアリング操作を行う必要がある。この操作方法は車両によって異なるが、多くの場合は音声コントロールボタンを長押しするか、設定画面からペアリング操作を行う。
これらは一度設定すれば、再度接続設定をする必要はない。車両によってはエンジンをかけた際に自動的にiPhoneと接続され、CarPlayが起動するようになる。
ちなみに、CarPlayはさかのぼると2012年発売の「iPhone 5」から対応している。そのため、以前使っていた古いiPhone、中古購入したiPhoneを車載用で使うニーズもある。
CarPlay はオフラインマップや音楽データを事前にダウンロードしておけば、オフラインでも使用することができるため、別途SIMの契約やWi-Fi接続が無くても「スマートなカーナビ」として利用することができる。
CarPlayは特段高い性能を必要としないこともあり、古いiPhoneを有効利用する方法としても有力だ。一方でCarPlayはiPhoneのみ対応しているため、iPadやiPod touchでは使用できない点には注意したい。
「これが標準装備でいい」と思えるほど快適 普段のスマホ体験がクルマに拡張
CarPlayやAndroid Autoに対応する車両をマイカーとするのは今回が初めて。試乗車で試したことはあったが、実際に使ってみると、そのよさを改めて実感した。
実際にCarPlayを1カ月ほど利用してみると、その快適さに「これが標準装備でいいのでは?」と強く感じた。接続すると、車のディスプレイが一気にiPhoneライクなUIへと変わり、普段使い慣れているアプリがそのまま表示される。
CarPlayはアプリアイコンが並ぶホーム画面、マップと音楽再生画面が一体となったウィジェットのような画面がある。基本的には後者の画面で使うと便利だと感じた。
対応アプリは純正のアプリ以外に「Google マップ」「Yahoo!カーナビ」などのマップアプリ。「Spotify」「Amazon Music」「LINE MUSIC」「YT Music」をはじめとした音楽再生アプリ。「LINE」「Zoom」「WeChat」といったメッセンジャーや通話機能を備えるアプリも対応している。
一方で、「YouTube」「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」「TikTok」といった動画配信アプリは、運転の安全性を考慮してか利用できない。ゲームなども同様だ。
ナビはApple純正マップはもちろん、Google マップやYahoo!カーナビなどの対応アプリも利用できる。普段のスマホ体験がそのまま車に拡張される感覚は、一度味わうと従来のカーナビには戻れない。この他、音楽再生画面は大画面でアルバムアートワークを確認できる。カーナビの音楽再生機能よりも直感的に操作できる点もうれしい。
近年は有線だけでなく、ワイヤレスCarPlay対応の車種も増えている。筆者が体験したのもワイヤレス接続に対応しており、iPhoneをポケットに入れたまま車に乗り込むだけでシームレスに接続できる。接続にかかる時間は車両のエンジンをかけてから長くても10秒程度。待たせられるような印象はなく、一度登録しておけば面倒な設定も不要だ。
ワイヤレスCarPlayはBluetoothとWi-Fiを併用して通信する仕組みのため、遅延をほとんど感じさせず、ストレスフリーだ。これを経験すると、いちいち有線ケーブルを差し込む従来方式には戻りたくなくなる。
音声入力の自然さはAndroid Auto以上 スマホから直接操作もできる
CarPlayを使って最も感心したのは、Siriによる音声入力のスムーズさだった。メッセージ返信、目的地検索、音楽再生といった操作が自然な会話で完結し、視線を前方から外す必要がない。
競合するAndroid AutoもGoogle アシスタントで同様の操作ができるが、筆者の体感では目的地認識や楽曲指定の精度がやや不安定で、Siriと比較して「もう一度言い直す」場面が多かった。CarPlayはこの点で一歩リードしており、どの車両でも音声UIが車載システムの中核になる未来を感じさせた。
また、必要に応じてiPhone本体から直接アプリの操作ができるのも利点だ。車載ディスプレイの感度や操作性が悪い場合や細かな設定が必要な場合、停車中にiPhoneを操作すればすぐに反映される。事前に設定した内容が乗車時にすぐ反映される点もうれしい。
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