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インタビュー

なぜ? U-NEXTが自ら「U-NEXT MOBILE」を立ち上げた理由 20GB実質300円、ワンプラン、eSIMのみの狙いMVNOに聞く(3/3 ページ)

楽天モバイルとU-NEXTのセットプランが提供開始された中、U-NEXTも自らMVNOサービス「U-NEXT MOBILE」を立ち上げた。U-NEXTのポイントを通信料金に充てると、月額300円で20GBが使える。U-NEXTユーザーをメインターゲットに据え、分かりやすさを重視してワンプランとしている。

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y.u mobileで培ったノウハウも生かし、キャリアに近い通信品質を目指す

―― 以前、y.u mobileにお話をうかがった際には、グループ全体でIoTなどにも回線を利用し、帯域の利用効率を高めているという説明がありました。これは、U-NEXT MOBILEにも生きているのでしょうか。

渡辺氏 まさに私たちが帯域効率を高めるため、MVNEという立場を担っていました。y.u mobileも既に5年がたっていますが、その経験を生かし、最適化はしっかりモニタリングしていきます。

―― 品質的にはどの程度を目指すということはありますか。U-NEXTが途切れず見られるような具体的な目標があれば教えてください。

渡辺氏 時間帯、場所、端末などの複数要因があるので絶対に大丈夫と言うのは難しいのですが、キャリアに近い品質を目指しています。せっかくU-NEXTを視聴していたのに途切れてしまったというのでは、本末転倒です。品質はかなり重視し、体験をコントロールしていこうと考えています。

―― U-NEXTとのセットプランはy.u mobileも提供していますが、食い合いはないのでしょうか。

渡辺氏 そのように見えるかもしれませんが、まず物理SIMとeSIMのどちらがいいかで分かれます。また、y.u mobileはヤマダ電機での店頭獲得がメインになっていて、お店の方に相談しながらサポートしてもらいたいという方にマッチしています。また、y.u mobileにはU-NEXTなしのシングルプランや、家族でシェアできる「シェアU-NEXT」もあります。SIMや容量の違い、さらには修理費用保険などもあるのが違いになります。

U-NEXT MOBILE
y.u mobileでは3つの料金プランを提供しており、物理SIMもあることから、U-NEXT MOBILEとは差別化が図れるという考えだ

―― SIMが物理かeSIMかですみ分けを図っているのは面白いですね。端末を販売するといったこともしないのでしょうか

渡辺氏 端末に関しては自社で在庫を持ち、未収リスクを抱えてというところまで踏み込むのがなかなか難しいと考えています。いったんはなしのまま、割り切っていくつもりです。

取材を終えて:映像サービスを起点にした新しいMVNOとして注目

 どちらかといえば、家電量販店で広くユーザーを獲得し、その一部がU-NEXTとのセットプランを選ぶy.u mobileに対し、U-NEXT MOBILEはU-NEXTのユーザーを決め打ちでターゲットにしている印象だ。渡辺氏が「OTTのようなサービス」と語っていたように、ユーザーの起点が回線ではなく、U-NEXT側にあることが大きな違いといえる。

 リアルな接点もあり、メインブランドのように料金プランを選べるy.u mobileとは別に、U-NEXT MOBILEというオンライン専用ブランドを立ち上げたような印象も受けた。渡辺氏がahamoを例に出していたことも、そのイメージを補強する。実際、サービス内容は、ワンプランかつeSIM専用というチャレンジングな仕様だ。映像サービスを起点にした新しいMVNOとして、今後の動向に注目したい。

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