テスラの車載Wi-Fiをワイモバイルの“子回線”と“バッテリーレス”ルーターを活用して“安く”構築した話:ふぉーんなハナシ(2/4 ページ)
車載Wi-Fiルーターの環境を構築してみたところ、テザリング環境で気になっていた細かな不満が解消された上に、ランニングコストも月額539円の上乗せで済むという良い体験を得られたので、その事情を共有したい。
当初はスマホのテザリングで十分だと思っていた
筆者はもともと、スマホのテザリング経由で「車両本体」「Chromecast with Google TV」「レーダー探知機(ユピテル YPK-21L)」を常にWi-Fi接続していた。手軽である一方で、次のような細かい不満もあった。
- スマホの持ち主(筆者)がコンビニなどで一時的に降りると、テザリングが切断される(同乗者がChromecast経由で視聴していた映像コンテンツが途切れてしまう)
- Wi-Fiを必要としていない間の無駄なバッテリー消費が生まれる(車に乗るたびに必ずスマホを充電しないと気になってしまうことに)
- しばらく通信がないと、いつの間にか切断されており、いざ使うタイミングで再接続の操作が必要になることもあった
この程度であれば、引き続きテザリングの利用で我慢できていたのだが、車載Wi-Fiルーターを再検討するきっかけとして、テスラのモデルYに乗り換えたことも理由の1つだ。
テスラの車両は標準で4G LTEに対応しており、スマホアプリとの充実した連携機能を無料で使えるが、さらに月額1990円の「プレミアムコネクティビティ」に加入すると、以下のような追加機能を利用できる(一部を抜粋)。
- ナビ画面で航空写真や天気予報を表示できる
- Apple MusicやNetflixといったストリーミングサービスや、Webブラウザのアプリを単体で使える
- 車両を離れている間に動作する防犯機能のカメラ映像をどこでもスマホから再生できる(※)
個人的にはいずれも月額1990円の価値を感じられなかったのだが、自分でWi-Fi環境さえ用意すれば、一部(※)をのぞいて上記の機能も問題なく使えるため、いろいろなテスラの機能を不足なく使える環境を保ちたかった筆者は、車載Wi-Fiへの興味が再燃したというわけである。
このあたりの事情はテスラに限らず、他のメーカーも同様のサービスを展開しつつある。よって同じような悩みを抱えている人もいるのではないだろうか。
車載Wi-Fiのパッケージ商品はいろいろあるけど……
そうしたニーズを見越してか、近年は車載Wi-Fiルーターの商品が増えている。いずれも、一定あるいは無制限のデータ容量を一定期間使えるような買い切り方式が多く、イニシャルコストは1万円程度からと、ヘビーユーザーならコスパにも優れている。
しかし、気掛かりなこともあった。普段使っているスマホの契約データ量(35GB)を使い切れておらず、繰り越し分も含めると、いつも月に50GB程度を余らせていたことだ。
テザリングを利用する以外の方法で、どうにかしてこのデータ量を有効活用できないものかと検討した結果、スマホに入れている回線の契約データ量を複数のSIMで使えるようにして、車には自前で用意したSIMフリーのWi-Fiルーターを載せておくのが一番良さそうだという結論に至った。
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