北海道で実感した楽天モバイルにおけるネットワーク品質の現実――ASTで一発逆転を狙うが、それで大丈夫なのか:石川温のスマホ業界新聞
年末年始に北海道の富良野に行ってきたのだが、楽天モバイルは多くの場面でKDDIのau 4G LTEネットワークへのローミングでつながっていた。ASTの低軌道衛星通信でエリア補完をしようとしている同社だが、果たしてそれで安定した通信を担保できるのだろうか。
年末年始、北海道・富良野に行ってきた。
新千歳空港から富良野まで、スマホを使い続けていたが、楽天モバイルはかなりの場所でバンド18、つまりKDDIローミングとなっていた。
この記事について
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2026年1月10日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
また、宿泊先の部屋は圏外、スキー場も一部は圏外であった。
楽天モバイルとしては、こうした場所はすべてASTに頼るのだろう。ASTに切り替えたタイミングでKDDIローミングも打ち切るのではないか。
三木谷浩史会長は、ASTによる衛星とスマホのダイレクト通信はプラチナバンド(バンド28)でやると公言している。
また、プラチナバンドで回り込みしやすいということから「屋内にも浸透する」(三木谷会長)と語っていた。つまり、ホテルの部屋がいまは圏外であっても、ASTによってエリア化していくつもりなのだろう。
ただ、どんなに衛星からのプラチナバンドで面をカバーできたとしても、どれだけ安定した通信環境を提供できるかはかなり未知数だ。
実際、この年末年始、ホテルではWi-Fiにつながず、家族が寝静まっている間は、ずっとKDDIやソフトバンク、NTTドコモ回線でTVerで年末年始の特番を見ていた。バスの中ではNHK ONEで紅白歌合戦の見逃し配信に夢中であった。
いつでもどこでも「つながる」だけでなく「快適に動画が見られる通信」でないと意味はない。
Xの楽天モバイル_お客様サポート(@Rmobile_Support)をフォローしていると、毎日、本当に多くのユーザーが「つながらない。データが流れない」と嘆いており、それに対して、アカウントが一生懸命に謝っている。このアカウントはまさに楽天モバイルの現状を可視化しているように思う(なぜか、KDDIの高橋誠会長がフォローしている)。
契約的には1000万を突破したのは喜ばしいが、もうちょっとネットワークに対して、投資を続ける必要があるのではないか。というか、今後も契約者数を伸ばすのであれば、さらなる投資は避けては通れないし、おそらく、いつまで経っても黒字化は難しいような気がしている。
目先の黒字化を急ぎ、ネットワーク対策に手を抜くようだと、早晩、契約数が減少していくことだってあり得るだろう。
昔に比べて、キャリアの移行がしやすくなっているだけに、抜本的な対策が必要なのではないだろうか。
© DWANGO Co., Ltd.
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