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mineoはどう変わる? オプテージが「音声フルMVNO」で思い描くサービス像 キーパーソンに聞くMVNOに聞く(2/3 ページ)

MVNOのmineoを展開するオプテージが2027年下期に音声フルMVNO事業を開始する。自社でSIM発行や加入者管理を行うことで、音声通話の新サービス創出や柔軟な法人向け展開を目指す。将来的にはドコモ回線を含むマルチキャリア化も視野に入れ、回線数と売上高の倍増を計画している。

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あらかじめデバイスにSIMを組み込んで出荷することも可能に

―― 通話以外ではいかがですか。

松田氏 SIMを自分たちで発行できるのは大きいですね。形状そのものをいろいろ変えることができます。ここは、(ライト)MVNOだからこその壁がありました。eSIMは特にそうです。この壁を本当に超えられるかどうかはまだ詰め切れていませんが、利便性を上げられるのは確かです。特に法人向けだと形状がいろいろあり、組み込み型で提供できるのも大きい。そういうところの選択肢が増えると思っています。

―― 組み込みが可能になるのは、SIMの発行に加えて休止や開始をMVNO側でコントロールできる点も大きいという理解でよいでしょうか。

松田氏 はい。例えば工場が海外にあってそこで接続試験をしたものを、そのまま持ってくるといったことができるのがメリットです。

―― 一例を挙げると、子どもなどの見守り用GPSのような端末の回線として使ってもらえるということで合っていますか。

松田氏 はい。そこは回線のライフサイクル的なところが大きな壁になっていました。そういう端末は、これから増えていくと思います。音声フルMVNOと同時に発表した「MVNO Operation Kit」の文脈で、いろいろな事業者とビジネスを作るお話をしていきたい。B2B2Cの取り組みはいろいろできると思っています。小規模なのでできなかったジレンマがあった機器メーカーとも一緒にお話をしながら、通信を組み込むハードルを下げていきたい。小規模でもスタートできることは目指したいと考えています。

―― 採用メーカーに富士ソフトがありましたが、ルーターに組み込んでそのまま出荷するといったことも可能になるのでしょうか。

松田氏 そうです。

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MVNO Operation Kitを提供することで、異業種のMVNO参入を支援する

パートナーの資産を組み合わせた通信サービスも創出する

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モバイル事業推進本部のモバイル事業戦略部 モバイル事業統括チーム チームマネージャーの合田慎氏

―― MVNO Operation Kitですが、これはフルMVNOとライトMVNO、両対応なのでしょうか。

松田氏 どちらも対応しています。今のお話の例だと、ルーターはフルMVNOの方がいいと思います。使われる側の視点として、ライトMVNOもフルMVNOもあり、1つの商品で組み合わせて使っていただくこともできます。

合田氏 ただ、スタートはMVNO Operation Kitが先になるので、ライトMVNOだけで始めて、ゆくゆくはフルMVNOも選べるという形になっていきます。

―― 説明会では、ブランドだけを使うホワイトレーベル(オプテージの呼称はホワイトラベル)とフルカスタマイズの中間というお話でしたが、その意味合いを詳しく教えてください。

松田氏 間というか、両方のいいとこ取りになります。ホワイトラベルはあくまで提供元の通信会社が用意した通信メニューをそのまま使う形で、(ユーザーの)契約元も提供元の通信会社になります。ブランドを持たれている企業が使うものですが、基本的には限られたメニューをそのまま使うしかありません。一方で、参入障壁はものすごく低いので、早く始められて初期投資も抑えられます。

 もう一方のフルカスタマイズはガッツリ通信事業者をやられる方向けで、自由度は高いし、思うようなサービスも作れますが、それをやるには技術に対する知見が必要になります。料金回収や顧客管理の仕組みも持たなければならず、ハードルは非常に高い。

 これに対し、MVNO Operation Kitだと用意するサービスが豊富で、通信だけでなく、いろいろな企業が提供する通信と相性のいい商材もあります。アプリなどの自分たちが持っている資産、アセットを組み合わせて、ユーザーに提供できます。また、私たちが通信事業を始める支援のコンサルティングをやらせていただきます。一緒にビジネスを作り、自由度も確保できて、通信に収まらないビジネスを狙うことができます。

―― どちらかというと、mineoはMVNEに近い立場なのでしょうか。

松田氏 そうです。

―― 商材とはどういったものがありますか。

松田氏 分かりやすくいうと、カメラのようなものがあります。富士ソフトさんが提供するルーターも物理的な機器として分かりやすいと思います。そういったものと通信を組み合わせて、さらに自分たちのアセットを組み合わせることができます。

―― MVNEをメニュー化したものと捉えてもいいのでしょうか。利用者として想定しているのは、どのような会社ですか。

松田氏 規模としては大きい企業だけではありません。中堅中小の方にも数千万のお客さまがいます。その方々がエンゲージメントを高めるために、通信を組み合わせていくことをしている。通信からの収益もしっかり組み合わせて事業として成長させたいと考えている方は、中堅中小の企業に多い。そういった方々に使っていただきたいですね。

KDDIからスタート、ドコモのマルチキャリアも視野に

―― KDDIの音声フルMVNOを開始した後の話になりますが、マルチキャリア化も目指しています。まず、なぜKDDIから始めたのでしょうか。

松田氏 検討の当初からマルチキャリア化は念頭に置いていました。次はドコモさんとという思いもあり、実際に両方のキャリアとお話をしてきました。KDDIさんからというのは、まずお話がまとまったということがありますし、au回線を使うことで業界的にも選択肢が増えるのは大きい。ですから、まずはau回線からスタートすることにしました。ここで「やります」と明言はできませんが、ドコモさんも追加してマルチキャリアになりたい。MVNOにしか、そういうことはできないですからね。

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KDDIに続き、ドコモの回線でのフルMVNOサービスも視野に入れている

―― まだ仮定の話にはなりますが、マルチキャリアは法人向けというイメージが強いのですが、個人向けもあるのでしょうか。

松田氏 個人の方でも家ではこちら、会社ではこちらの方が入るというシチュエーションはあると思っています。2つ(の回線)を1つ(のSIM)でできるのは、響くのではないでしょうか。場所もそうですが、品質のいい方を自動でつかむ仕組みができればさらにいいですよね。それをどうやって実現するのかというのは課題ですが、複数のアクセス回線を使えるというのは広がっていくと考えています。

―― 次がソフトバンクではなく、ドコモというのはなぜでしょうか。

松田氏 今使っていただいているユーザーの比率という意味では、au、ドコモの順番になります。また、ドコモさんとは協議自体もだいぶ前からしている状態です。両方いっぺんにやるのは私たちが無理なので(笑)、まずはKDDIさんからになります。

―― マルチキャリアといっても、2社ですよね。さすがに3回線や4回線まではいかないのでしょうか。

松田氏 そこは使いながらですね。3つあることのニーズがあるなら、検討していきます。

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