見た目はガラケー、中身はスマホの「MIVE ケースマ」徹底レビュー どこまで実用的で、誰に向くのか(2/3 ページ)
韓国で急成長を遂げ、2026年に日本上陸を果たしたALT JAPANが、国内第1弾製品を発売。注目の「MIVE ケースマ」は、2月19日に発売されたSIMフリーの折りたたみ型Android端末。「見た目はガラケー、中身はスマホ」という特徴を持つ希少な一台の実用性を詳しく探る。
LINEやFMラジオが使える安心感
ケースマは昨今のフィーチャーフォンスタイルの端末としては珍しく、LINEやFMラジオの機能を利用できる。LINEはスマホ向けに設計された画面を4.3型ディスプレイで使う形なので、スマホのLINEに使い慣れた人は少し違和感を覚えるかもしれない。それでも、通知は1.83型のサブディスプレイに表示されるため便利だ。メッセージの見逃しは防げるはずだ。
FMラジオについてはMIVE ケースマ本体内にチューナーを内蔵していない。利用には別途3.5mmイヤフォンジャックに有線イヤフォンを接続し、イヤフォンをアンテナ代わりにする必要がある。都度接続の手間はあるものの、災害時などにおける情報取得が可能な機能であり、備わっているだけで安心感がある。
完全防水ではなく防滴 生体認証が使えない不便さも
耐久性についても安心につながる内容だ。
MIVE ケースマは完全な防水・防塵(じん)性能を有しているわけではない点に留意したい。防水と呼ぶよりも、正確には防滴と捉えるのが妥当だ。ケースマの以下の基準を満たしている。
- IPX4(生活防水): いかなる方向からの水しぶきによっても有害な影響を受けない。
- IP5X(防塵): 粉じんが内部に侵入することを防止し、若干の粉じんの侵入があっても正常な動作を阻害しない。
つまり、水没に耐えうるほどの強力な防水性能はないものの、日常生活における水しぶきや微量の手汗、多少のホコリ程度であれば問題なく耐えられる設計となっている。
一方、不便に感じたのは生体認証を行えないことだ。ケースマはスマホと同様にパスワードやPINを使ってロックをかけておくことが可能だ。だが、そのロックを解除する際に指紋認証や顔認証を利用できないため、都度タッチ操作が必要になり面倒だと感じる。電話帳やGmail、LINEといった極めて秘匿性の高い情報を他人に見られないようロックをかけられるのならば、せめて指紋認証は利用できるとよかった。
2100mAhのバッテリーはどれだけ持つか
最後にバッテリー持ちを見ていきたい。ケースマのバッテリー容量は約2100mAhだ。4000〜5000mAhが主流のスマートフォンと比べてしまうと少ないが、フィーチャーフォンとしては大容量だ。
ケースマを1週間ほど使用し、バッテリーの持続時間を検証した。試しに、朝10時過ぎに100%の状態から使用を開始し、外出先でGmailを数通受信し、Slackで仕事のやりとりをした。夕方頃に帰宅したところ、バッテリー残量はまだ半数近く残っている状態だった。
次に、実際にどの程度持続するのかを、YouTube動画の連続再生によって確認した。条件としてネットワークをWi-Fiに、画質を1080p(フルHD)に設定した。
12時30分にバッテリー100%の状態から観測を開始したところ、30分後の13時には94%、さらに30分後の13時30分には87%へと推移した。14時4分には78%まで減った。
14時31分には71%、15時には64%、15時30分には55%、16時には46%と半分を下回る残量になった。
16時31分には36%、17時には25%、17時33分には13%、18時には5%となり、自動でバッテリーセーバーに切り替わった。18時15分頃にはバッテリー残量が底を突き、自動的に電源がオフになった。つまり、計測から5時間45分後にはバッテリーが完全になくなったことになる。
長時間の移動時などではない限り、動画を連続で視聴し続ける機会はほとんどないだろうが、ケースマで1日中動画を視聴し続けるのは難しいと分かった。もともと動画視聴を想定した端末ではないものの、どの程度のペースで残量が減っていくのか、少しでも参考になれば幸いだ。長時間の外出先での利用には、モバイルバッテリーやACアダプターを持ち歩くのがいいだろう。
ケースマには、専用の充電卓上ホルダ(別売り)があり、卓上ホルダにスライドする形で差し込むことで、すぐに充電を開始できる。今回の試用では、メーカーから貸し出しがなかったため、使い勝手を検証できていないが、USB Type-Cケーブルを都度接続するのが面倒だと感じる人は別途購入するといいだろう。
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