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povoが仕掛ける“ネットワーク不満層”の取り込み ahamoや楽天を狙い撃ち、ローミング終了も追い風に石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

KDDIのpovo2.0は新規契約でデータ使い放題を10回分付与するキャンペーンと新トッピングを発表した。背景には他社の通信品質に不満を持つ層をサブ回線として取り込み、その後にメイン回線化させる狙いがある。特にドコモやローミング終了が迫る楽天モバイルのユーザーをターゲットに据え、攻勢を強める構えだ。

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新トッピングでメイン化を後押し ターゲットはahamoと楽天モバイル

 新たに登場したトッピングの1つは、そんな“povoのメイン化”を後押しするものだ。7月1日に導入される年間トッピングは、データ容量が1.32TBで3万9240円。1カ月に換算すると、110GBで3270円になる。povoでは、決済手段にペイディを導入しており、12回の分割払いが可能。これで支払うと、通常のキャリアのような月額払いで1年間利用できるようになる。

povo2.0
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新トッピングは1年で1.32TB。1カ月あたり、3270円で110GBになる。支払いはペイディを使えば分割が可能。月額プランのように利用できる

 年1.32TBや月110GBというデータ容量は、中途半端なように見えるが、実はドコモのahamoに「大盛りオプション」を足した際の「ahamo大盛り」と同容量だ。KDDI Digital Lifeでトッピングなどの設計をするカスタマーエンゲージメント部長の葭内生悟氏も、「110GBは他社の料金プランを確認したが、分かりやすいのではないか」と明かす。

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KDDIの葭内氏は、他社の料金プランも意識したと明かす

 ただし、ahamo大盛りはahamoの2970円と大盛りオプションの1980円が必要になり、合計の料金は4950円になる。より安価な料金で、ahamoの大容量ユーザーを狙ってきたというわけだ。また、12回払いした際の月3270円という価格は、楽天モバイルで20GBを超えて無制限になったときの料金と同じ。無制限の楽天モバイルと違い、データ容量の制限はつくが、110GBはスマホ単体であればデータ残量をあまり意識しないで使える容量。金額面では、ほぼ横並びになった形だ。

 povoには、30GBで毎月2780円のサブスクトッピングや、月払いで2200円、30GBになる360GBの1年間トッピングも存在する。新たに1年間で1.32TBのトッピングを追加したことで、よりahamoや楽天モバイル対抗の色合いを濃くしたといえる。同時に、容量で劣後していた1年間トッピングの1.2TBは廃止になる。

 先に挙げたキャンペーンは、マゼンタ色の背景からpovoのキャラクターが飛び出してくるイラストが掲載されている。また、説明会では「スマホのつながらないに、備えよう」と書かれたボードが設定されており、「つながらない」の文字が赤とマゼンタを混ぜたような色合いだった。濱田氏は社名まで明言はしなかったものの、こうした打ち出しから、2社を意識しているのは明らかだ。

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説明会の会場には、「スマホのつながらないに、備えよう」と銘打ったボードが掲示されていた

 この2社をロックオンしたのは、実際にpovoをサブ回線と使う利用者が多いためだ。濱田氏が紹介した自社調査によると、povoをサブ回線にしているユーザーのうち、B社とC社の割合がKDDIとA社よりも高く出ている。その他のデータから推察すると、B社はドコモ、C社は楽天モバイルで、前者は30.7%、後者は28.1%を占める。KDDI以外は約8割だが、その内の6割程度をドコモと楽天モバイルが占めている構図だ。

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ドコモや楽天モバイルのサブとしてpovoを使うユーザーは、KDDIやソフトバンクより多い

 ドコモはシェア1位のため、こうした調査で数値は高くなりやすいものの、1000万契約を超えたばかりの楽天モバイルが3割弱を超えているのは、povoの特徴といえる。それだけ、エリアや通信品質に不満を抱えているユーザーが多いことを意味する。

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