夏の暑さ対策グッズでよく見掛ける「ペルチェ素子」ってなんだ? 賢く使うための注意点も(2/2 ページ)
夏の定番アイテムとして急増している「ペルチェ素子」搭載の冷却グッズ。電気を流すだけで片面が冷え、もう片面が発熱するという不思議な性質を持つ技術だ。
なぜ今、ペルチェ素子を使った商品をよく見掛けるのか
ペルチェ素子自体は以前から存在し、小型冷温庫やPCのCPU冷却、医療機器の温度管理などに活用されてきた。しかし近年、半導体製造技術の進歩やモバイルバッテリーの大容量化・低価格化が進んだことで、携帯型のポータブル冷却グッズへの搭載が一気に現実的となった。
例えば首にかけるネッククーラーでは、ペルチェ素子で冷やされたアルミプレートが首元の太い血管(動脈付近)をダイレクトに冷却する。気温が体温を超える猛暑日には、ぬるい風を送るだけのハンディファンでは不十分な場合もあるが、ペルチェ素子なら風を送るだけのファンよりも外気温の影響を受けにくく、氷を当てているかのような冷感を持続できる。
スマートフォンをはじめとする小型ガジェットの冷却にも適している。高負荷なゲームプレイや炎天下での動画撮影時には、本体の発熱によって処理速度が低下したり、画面の輝度が制限されたりする。ペルチェ素子を搭載したスマホクーラーを背面に装着すれば、強力な吸熱作用により本体温度を急速に下げ、処理パフォーマンスの低下を防止できる。
ペルチェグッズを使う際の注意点
優れた冷却性能を持つペルチェ素子だが、使用にあたって注意すべき点が存在する。それが「排熱」だ。ペルチェ素子は片面から熱を奪う(吸熱)一方、反対側の面からは奪った熱に消費電力分の熱が加わるため、吸熱量以上の大きな熱量を放出する。
そのため、製品の多くは排熱用の小型ファンを備えている。この排熱が阻害されると冷却効率が低下するだけでなく、機器本体の故障につながるおそれもあるため、使用中に排気口をふさがない配慮が欠かせない。
また、結露にも注意が必要だ。ペルチェ素子で急激に冷やされたプレート表面には周囲の水分が水滴として付着しやすいため、スマホなどの精密機器に使用する際は内部に水滴が侵入しないよう、長時間の連続使用や使用後の拭き取りを意識する必要がある。
猛暑が日常化しつつある現代において、ペルチェ素子は快適な生活空間の創出や精密機器の性能維持に欠かせない技術となっている。身近になったペルチェ効果の恩恵を賢く取り入れ、過酷な夏を快適に乗り切りたい。
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