インフラシェアリングから「周波数シェア」の時代へ ミリ波を落札したJTOWERの次なる戦略:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)
JTOWERが説明会を開催し、屋外シェアリングや電波オークションで落札したミリ波活用の展望を語った。キャリアの意識変化によって新設鉄塔や鉄道沿線などの要望が増加し、自社開発の地下鉄向け新装置なども導入を進める。複数の周波数を共有する周波数シェアリングを活用してトラフィック集中地での展開を目指す。
次の一手として進める周波数シェアリング、落札したミリ波はどう使う?
その先に見据えているのが、JTOWERが自社で取得した周波数を使った周波数シェアリングだ。同社は、総務省の電波オークションに参加し、6月30日にミリ波の26.8〜27GHz帯(n257)地域枠を4億6871円で落札。東京都23区や神奈川県横浜市、大阪府大阪市、福岡県福岡市など、計13地域で利用できる周波数を獲得した。
大都市圏の他、JTOWERが認定を受けた地域には、熊本県菊池郡菊陽町や、北海道千歳市も含まれているが、これは「TSMCやRapidus(といった会社の半導体製造工場)がいる」(田中氏)からだという。この周波数も、JTOWER自身でキャリアをやるためではなく、シェアリングしながらキャリア各社が利用することを想定しているという。
田中氏は、「シェアリング領域の行きつくところが、周波数のシェアリング」だと語る。今後は、「(複数のキャリアのコアネットワークをつなげて、1つの周波数をシェアしながら利用する)MOCN(Multi-Operator Core Network)の技術を使い、ネットワーク周波数をシェアリングする技術開発を進めていく」という。
現在は、「いつサービスインするかは、まさに検討中」といった段階で、半年から1年かけ、事業計画のブラッシュアップを行う。「われわれが取ったところ(地域)は、比較的トラフィックが多いところ」(塩沢氏)で、サービスは「トラフィックが集中するスタジアムや空港から手掛けたい」(同)としている。
同時に、キャリア側とも「法的、技術的に協議を進めていかなければならない」(塩沢氏)。「Open RANの導入に関しても1つ1つ新しいことにチャレンジしていく中、リソースをどういった形で運用することを各キャリアが望まれているのかを踏まえていく」(同)計画だ。
もっとも、現時点ではミリ波対応モデルは少なく、「iPhoneがどのタイミングでミリ波に対応するのかにもよる」(同)ところがある。そのため、JTOWERでも「端末の動向も見ながら、対策需要があるところに対策していく」方針だ。また、キャリアの採用する端末が、JTOWERの持つ周波数に対応している必要があるため、こうした分野での連携も必要になる。
ミリ波は電波の到達距離が短く、面的にエリアを構築しなければならない。KDDIやドコモは中継器を使ってエリアを拡大しようとしているが、設備投資の観点でも、キャリアだけで整備していくのには限界がある。AIの台頭でトラフィックが急拡大するなか、シェアリングのニーズはさらに高まることになりそうだ。
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