“横ワイド”が折りたたみの標準になる? コンテンツ視聴に便利な4:3画面の是非:山根康宏の海外モバイル探訪記
開くと4:3の横ワイド型になる折りたたみスマホが話題だ。SamsungやHuaweiに続きAppleも参入するとみられる中、軽量化や画面の見やすさ、新たな使い方により、一般的な選択肢として定着するかもしれない
折りたたみスマートフォンを投入するメーカーの数が増える中、本体を開くとアスペクト比4:3の横ワイド型になるモデルを、HuaweiやSamsungが相次いで発売しており、さらにAppleも投入する見込みです。中国では既にHuaweiの「Pura X Max」、日本を含む海外ではSamsungの「Galaxy Z Fold8」の人気がそれぞれ高まっており、この新しい形状のモデルは折りたたみスマートフォンの新たな定番として人気を得るかもしれません。
横ワイド型の折りたたみスマートフォンは、一般的なスマートフォンと比べると、閉じた状態では縦方向の長さが短く、横方向には広い大きさとなっています。一見すると片手では持ちにくいようにも思えますが、例えばGalaxy Z Fold8の重量は約201gで、「折りたたみスマホは重い」というイメージを払拭(ふっしょく)する軽さを誇ります。片手で文字入力したい場合は、機種によってはソフトキーボードを片隅に寄せることもできるので、無理なく使えます。
また外側の画面で写真を撮影すると、画面いっぱいにプレビューが写るため、撮影により没頭できると感じます。筆者はPura X Maxを当初は動画や写真を「見る」のに便利だろうと思って購入したのですが、気が付けば写真撮影をするカメラスマートフォンとして頻繁に使っています。
一度この画面での撮影に慣れると、一般的なスマートフォンの撮影中の画面の、左右の黒い部分が気になってしまうほどです。
写真を表示した際は、本体を開いたときの4:3のアスペクト比で全画面表示が可能です。16:9の動画も上下に多少の黒枠は出るものの、より本体サイズの大きいフォールド型のスマートフォンよりも見やすく感じます。意外なことにアプリの左右の分割表示も、縦方向はやや短いと感じるものの、横に広いため見にくいと感じません。
ところで、折りたたみスマートフォンの存在意義に関する疑問の1つに、「画面を開く必要があるのか?」というものがあります。確かに、今の一般的なスマートフォンで不便を感じていない人にとって、価格が高く、わざわざ画面を開く操作が必要な折りたたみスマートフォンは無用かもしれません。
しかし筆者のように、一枚板のスマートフォンでは画面が狭すぎる、2つのアプリをいつも同時に使いたい、といった考えを持つ人にとって、折りたたみスマートフォンは最適解といえるわけです。「開く必要があるのか?」ではなく、「普段は開いたままにしておき、邪魔なときに閉じる」これが筆者の使い方です。
Appleの参入で折りたたみスマートフォンの購入を検討する人が増えるとみられるため、この「折りたたみはいるか、いらないか」の議論はこれまで以上に活発になるでしょう。
しかし、実際にはスマートフォンの形状がこれまで「板」一枚だけだったところに、新たに「折りたたみ」という選択肢が増えただけのことです。どちらを選ぶかは、その人のスマートフォンの使い方次第なのです。
さて、横ワイドという新しい形状の折りたたみスマートフォンは、ここまで説明したように「4:3でコンテンツが見やすい」「折りたたむと意外とコンパクト」「折りたたんでも画面の狭さを感じさせない」などの利点があることから、これまで折りたたみスマートフォンに関心を持たなかった人の興味を引き付ける可能性があります。
特にAppleの製品は「iPhone以上、iPad以下」という位置付けになることから、この中間のデバイスを求めていたユーザーの心に刺さるでしょう。
今後、他のメーカーからも横ワイド型の折りたたみスマートフォンが出てくれば、この形状が折りたたみスマートフォンのデファクトスタンダードになるかもしれません。折りたたみスマートフォンが登場してから7年、ようやく一般ユーザーに受け入れられる製品になるかもしれません。
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