ダイソーで1100円のノイキャンイヤフォン「TWS009」を試す 騒音カットの効果は実感も電池持ちに課題か
ダイソーから1100円という低価格でANCに対応した完全ワイヤレスイヤフォン「TWS009」が登場した。低域の騒音をしっかりカットし音質も実用的だが、ANC有効時の連続再生時間は実測で3時間弱にとどまる。長距離移動には不向きだが、手軽な予備機や初めてのANC体験用としてはコストパフォーマンスに優れた一品だ。
ダイソーから、アクティブノイズキャンセリング(ANC)に対応した完全ワイヤレスイヤフォン「TWS009」が登場した。価格は1100円だ。主に5000円前後の製品が備えていたANC対応イヤフォンが、ダイソーの店頭で手に入るようになったということで、実際に購入して試してみた。
主な仕様は、Bluetooth 6.0対応で、コーデックはSBCのみとなる。連続再生時間はANCオフで約4時間30分、ANCオンで約3時間30分、充電ケースの併用で最大約15.5時間だ。ANCに加えて外音取り込みモードも備えている。カラーはブラックとホワイトの2色が用意されている。
そもそも、なぜ1100円という価格でANC対応イヤフォンを販売できるのか。この背景には、ANCを含めた統合型チップの低廉化があると筆者は考える。中国では数世代前のチップであれば数百円以下で調達できることも考えられ、ダイソーの大量販売を前提とした流通網と組み合わせることで、この価格を実現できたのではないだろうか。後述するANCの効き方が一昔前のタイプであることも、この推測を裏付けているように感じる。
ANCの効き方は一昔前のタイプ、それでも効果は確か
今回のワイヤレスイヤフォンのANCは、端的に言えば一昔前の製品や廉価帯の製品にみられる低域を中心にカットするタイプだ。電車の走行音や空調のうなりはしっかり抑えられ、有効にした瞬間に効果を体感できる。一方で人の話し声などの中高域はそれなりに聞こえてくる。
耳が詰まったような閉塞感を覚える一昔前の効き方で、最近の上位機種に慣れている人は違和感を覚えるかもしれない。それでも、通勤や通学で騒音を和らげる用途なら十分に役割を果たしてくれる。外音取り込みもしっかり機能する。
音質は1100円としては良い。ボーカルを中心にまとまったバランスで、分離感や低域の締まりは価格相応だが、BGMや動画視聴には十分なクオリティーだ。意外と低域の再生能力があるのか、廉価な機種に多いシャリシャリしたような音ではない点は好印象だ。
コーデックはSBCのみという割り切りもあってか、接続は安定しており、音途切れでストレスを感じる場面は少なかった。Bluetooth 6.0に準拠したチップを採用していることもあり、通信系は比較的新しいものが採用されていると考える。
操作は2回タップでANC、外音取り込みを切り替える分かりやすい構成だ。ただし、操作時の音声アナウンス中は音楽の再生がほぼ止まったような状態になるため、ここは好みが分かれるだろう。
また、曲送りの操作は右側3回タップになっているなど、一般的なワイヤレスイヤフォンとは異なる操作方法もあり、慣れるまでは意図しない動作をすることもあった。操作方法をカスタマイズできる専用アプリは用意されていないので、付属の取扱説明書を読んで覚えるしかなさそうだ。
電池持ちに課題 3時間弱でバッテリーが尽きる
その一方で、課題と感じたのは電池持ちだ。実際に使ってみると、ANCオン時の公称値で3時間30分のところ、2時間50分ほど連続で利用できた。公称値から大きな差はないものの、一般的なANC対応イヤフォンは連続して5時間以上利用できるものが多いため、本機種は電池持ちが良いとはいえないのだ。
実測2時間50分を利用シーンに当てはめると、東京→新大阪間の新幹線(2時間30分前後)ならギリギリ耐えるが、東京→新青森間や東京→福井間の新幹線(3時間前後)といったシーンでは、先にイヤフォンの電池が切れてしまう計算になる。
そのため、通勤や通学といったシーンはカバーできるが、新幹線や航空機で長距離をよく移動することが多い方にはあまり向かない。この部分は価格相応と割り切るべき製品だろう。
予備機にも、最初の1台にもアリなワイヤレスイヤフォン
ダイソーの完全ワイヤレスイヤフォン「TWS009」の特徴をまとめると、ANCの効き方や操作方法のクセ、コーデックはSBCのみの対応など、一般的なANC対応のイヤフォンと比べれば劣る点は多い。それでも1100円という競合と比較して圧倒的に安い価格を考えれば、いずれも許容範囲といえる。
加えて、ダイソーというネームバリューと全国の店舗で手軽に買える入手性の高さも魅力だ。通販サイトには同価格帯の無名メーカー製品も多く並ぶが、それらを選ぶよりも安心感は高い。
万一なくしても惜しくない予備機としてはもちろん、初めてワイヤレスイヤフォンを買う人や、とにかく安価なモデルを探している人にも十分おすすめできる製品だ。1100円で「ANCとはこういうものか」を体験できる点も含め、手に取る価値は大きい。興味がある方はチェックしてみてほしい。
著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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