サイバー攻撃の漏えい情報件数、10月だけで2025年の約3.7倍に急増 MM総研調べ
MM総研は、国内の企業/団体のWebサイトや報道により公開されたサイバー攻撃による情報漏えい事案(可能性を含む)の動向を調査。10月末時点で漏えいは約3.8億件で、前年1年分の約7.6倍となった。
MM総研は、11月4日に「国内サイバー攻撃による情報漏えい動向調査(2026年10月末時点)」の調査結果を発表した。国内の企業/団体のWebサイトや報道で公開されたサイバー攻撃による情報漏えい事案(可能性を含む)の動向を分析したものとなる。
今回の調査では、漏えい情報件数と漏えいした情報の項目を中心に調査。期間は2022年1月から2026年10月31日までとなり、組織名/サービス名で照合/重複排除し、初報日の月に1件と計上した。漏えい情報件数と漏えいした情報の項目は、全事案の記事本文と企業の開示資料から集計したという。
漏えい(可能性を含む)件数を集計すると、2026年は10月31日までで約3億7600万件と、既に2025年1年間(4953万件)の約7.6倍に到達。2022年の890万件から2025年までの3年間で約5.6倍に増えていたが、2026年は増え方がさらに大きい。同じ期間の事案数は661件と2025年1年間(428件)の約1.5倍で、10万件以上の事案も35件から84件に増加した。
10月だけでも約1億8500万件と、1カ月で2025年(4953万件)の約3.7倍に。100万件以上の情報が漏えいした大規模事案は2026年10月末までに45件(2025年は12件)と過去5年で最多で、10月だけで30件にのぼる。漏えい情報件数の中央値も、9月の1500件から10月は約2.9万件に跳ね上がった。
漏えいした情報は、2026年10月末時点では連絡先(メールアドレスや電話番号)が約3億6300万件、氏名が約2億8400万件と多く、生年月日、性別、勤務先などの属性、住所が続く。パスワードやログインIDなどの認証情報の漏えいも急増し、10月末時点で延べ約1億6100万件と2025年(514万件)の約31倍となった。クレジットカード情報漏えいの延べ件数は、2022年の88万件から2025年は12万件まで減っていたが2026年は438万件に増えた。
2026年1〜9月に初報があった事案は468件で、前年同期の303件から54%増えた。同じ期間で比べると、2022年は237件、2023年は207件、2024年は271件、2025年は303件と推移している。2026年は4年前(2022年)の約2.0倍の水準で、2026年10月31日までの累計で661件と過去5年で最多となっている。
業種別に見ると、2026年は10月31日までで情報通信業が最も多く、176件と前年1年間(56件)の約3.1倍に増えた。被害を受けたシステムで分類すると、情報通信業の176件のうち58件(約3割)は他社向けのクラウドサービス(SaaS)や委託先のシステムが侵害されたもので、2025年(56件中5件)から大きく増えた。情報通信業が提供するサービスが起点となり、1件の侵害が多くの利用企業/自治体の顧客情報の漏えいにつながっている。
製造業は73件から98件(34%増)、卸売業/小売業は63件から93件(48%増)、教育/学習支援業は41件から51件(24%増)に増え、いずれも前年1年間を上回った。製造業ではランサムウエア被害や海外拠点/グループ会社のサーバーへの攻撃が、大学や学校では教職員や学生のアカウント乗っ取り/フィッシング被害が目立つ。漏えい(可能性を含む)の件数が100万件以上の大規模事案は、2022年2件、2023年5件、2024年4件、2025年12件と増え、2026年は10月31日時点で45件と過去5年で最多となった。
2022年からの5年間で、公表されたサイバー攻撃による情報漏えいは事案数で約2.0倍(1〜9月の比較)に増えた。2026年は事案の数だけでなく1件あたりの漏えい情報件数が大きくなり、会員基盤から氏名、連絡先、認証情報がまとめて流出する事案が相次いだ。AIの悪用で攻撃のコストやハードルが下がり、短期間に多数のWebシステムが侵害されている可能性があると指摘する。
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