#004 - CATVインターネット	High Speed Access

CATVに使われる同軸ケーブルは
回線容量が大きい

　ケーブルテレビ（CATV）はテレビ放送を電波ではなくケーブルを利用して、契約者に配信するサービスだ。テレビの難試聴対策にも活用されている。放送センターから各契約者宅まで、電柱を利用して同軸ケーブル*1を張り巡らせる。CATVインターネットは、契約者宅に引き込んだ同軸ケーブルを利用してインターネット接続を行う。同じケーブルの中にテレビ放送やインターネットのデータが流れている。同軸ケーブルは光ファイバーと組み合わせたハイブリッド回線が主流で、容量が大きいので、通信速度が電話回線よりはるかに高速だ。ネットを利用するにはケーブルモデムという専用の装置が必要。通常、ケーブルモデムは業者から貸与される。パソコンとはイーサネット（LAN）で接続する。

　そのためパソコン側には、LANカード*2を増設する必要がある。ネットワーク側が高速なので、従来のモデムのようにシリアルポートを利用していたのではデータ転送が追いつかないのだ。非常に感覚的ではあるが、とにかくあの太い同軸ケーブルを利用してインターネット接続を行うのだから、いかにも高速接続が可能な印象を受ける。事実、場合によっては1.5Mbpsなどというスピードでインターネットを楽しんでいる一般ユーザーもいる。

最大の弱点は、サービス地域が
非常に限定されること

　ただし、このサービスを利用できるかどうかは、居住環境に左右される。まず第一に、住んでいる地域でCATVサービスが行われているかどうか？　第2に、たとえCATVサービスが行われていても、その会社がインターネット接続を提供しているかどうか？　そして、第3は運よくCATVインターネットサービスが行われていても、一戸建て*3に住んでいるかどうか？　これだけの条件をクリアしたユーザーだけが、めでたくCATVによる高速インターネットを享受できるのだ。この現実は数字にも表れており、99年末の時点でCATVインターネットのユーザーは、全国で15万人（郵政省発表）しかいない。正に選ばれし者のためのインターネット接続だ。ただ、ユーザー数は現在急増している。

■ICATVインターネット・ユーザーの声

数十Mバイトのデータを数分でダウンロード 　横浜市青葉区にお住まいの吉田信彦さんに、東急ケーブルテレビが行っているCATVインターネットに対する感想をうかがった。まず速度だが「サービス開始と同時にISDN接続から乗り換えたが、とても高速に感じた。数十Mバイトもあるデータのダウンロードが、数分〜10分ぐらいで終わる」とのことだ。 　吉田さんの取材は、平日の午前中に行ったが、FTPサイト*4でダウンロードを試してみたところ　最高180Kバイト/秒で、まさに“飛ぶような”転送速度を見せつけられた。接続スピード（ビット）に換算すると1.5Mbps弱と企業向けの専用線並み。東急は「ユーザーの増加に応じてバックボーンを増強している」ので、その点でも満足しているとのこと。「サービス区域内に引っ越してきた友人もいる」ということだが、その気持ちは痛いほど分かる。

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