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Today on ITmedia 2004年09月13日 19時55分
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YIG Yahoo! Internet Guide 2001年6月号より
#015 - ブロードバンドコンテンツ(AII編) High Speed Access

安価で高速なADSLの脅威
CATVはコンテンツで差別化

 AIIの例のように、CATV業界ではブロードバンドコンテンツを巡る動きが活発になっている。たとえば、J-COM系のアットホームジャパン*6も、AIIと同様の仕組みで、コンテンツ配信環境を構築している。

 このような動きの背景には、各地のCATV局が募らせる危機感がある。CATV局は旧郵政省(総務省)の方針で、競争原理の働かない地域独占*7構造の中で営業してきた。だが、この無風状態の独占にADSLという手強いライバルが登場した。CATVは高速・定額のインターネットが呼び水となって、多くのユーザーを獲得した。しかし、サービス内容や料金をADSLと比較すると、CATVの魅力も薄れてくる。そこでコンテンツという付加価値を武器にしようという思惑があるのだ。

ネットの独自コンテンツが少なく
既存メディアに見劣り感

 ここに、最近のCATV局がインターネット接続事業を重視する姿勢を裏付ける数字がある。AIIの田井野賢氏は「登録ユーザーのうち約47%がCATV放送を視聴せず、CATVでインターネットのみを使っている」と打ち明けてくれた。つまり、AII利用者の約半数はインターネットのためだけにCATV回線を引き込んでいるのだ。

 では、ブロードバンドコンテンツ全体の動きはどうなっているのだろうか? 身近な例では、@niftyを筆頭に、BIGLOBE、ODN、Panasonic Hi-HO、So-netなどのプロバイダがブロードバンドコンテンツを集めたサイトを開設した。ただ、現時点では独自コンテンツというよりは、コンテンツ提供会社に情報発信の場を提供するという傾向が強く、ブロードバンド対応の「リンク集」の域を出ていない。

 このような状況なので、どのサイトも魅力あるコンテンツを集めるのに苦心している。さらに現時点では一部を除いて、映画の予告編、音楽の試聴、スポーツの中継(チーム限定)といったコンテンツが中心で、既存メディアの“おこぼれ”といった感が否めない。収益を広告に頼っている現状では致し方ないところだ。今後ブロードバンドユーザーが増え、課金制度などビジネスモデルが確立され、コンテンツ自体がお金を生む構造が構築されなければ、制作者側も優良な作品を提供できないだろう。ブロードバンドインフラの普及を促進させるようなパワーを秘めたキラーコンテンツ*8が登場することを願ってやまない。

インターネットならではの
利便性と独自性を

 一方でブロードバンドの普及は、ユーザー自身がコンテンツを発信する側に回れることを意味している。たとえば、前出のAIIのようにCATV局のヘッドエンドにコンテンツサーバーを置くような仕組みであれば、CATV局という地域性の高いメディアの特徴を生かし、地元のコンテンツ制作者が地域密着型の情報を配信するという形態も考えられる。

 いずれにしても、ブロードバンドとそこで楽しむコンテンツは車の両輪のようなものだ。ブロードバンドもただ高速というだけでは、一般ユーザーに対する説得力に欠ける。既存メディアの“おこぼれ”から脱却し、ブロードバンドコンテンツが単独で成立するだけの収益構造を作り上げ、テレビや映画、音楽CDなどにはないインターネットならではの魅力的なコンテンツを作り出すことが求められている。

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