ADSL回線を利用してテレビを見る
画期的なサービス
ブロードバンドが普及すれば、テレビ放送もネット経由で流れてくる---そんな未来のテレビ生活が語られて久しい。いわゆる「放送と通信の融合」*1というやつだ。今回取り上げる「BBケーブルTV」は、“放送と通信の融合”という言葉がピタリと当てはまる、未来を先取りした、これまでにない形の有料テレビ放送だ。
BBケーブルTVが各家庭までテレビ放送を送り届ける手段は、電波でもなければ同軸ケーブルでもない*2。Yahoo! BBのADSL回線を利用する。そのため、Yahoo! BBのユーザーを対象としたテレビ放送という位置付けになる。Yahoo! BBでは、今年の春からIP電話サービスであるBBフォン*3を提供しており、ADSL回線を利用して、ネット、電話、テレビが三位一体となったサービスを提供する体制を整えたことになる。
本サービスは12月から!?
ゆくゆくは全国展開をもくろむ
BBケーブルTVは当初9月末から東京23区でサービスを開始するとしていたが、スケジュールが2か月ほど遅れており、正式サービス実施は11月末〜12月初めになりそうだ。この遅れに関してビー・ビー・ケーブル株式会社取締役技術担当・伊藤康之氏は「放送というメディアの重みを考慮して、さらなる実験を重ねてから開始すべきと判断」したそうだ。Yahoo! BBらしからぬ（失礼！）慎重な姿勢だ。
東京23区でのサービスが開始された後、2003年早々からさいたま市、千葉市、横浜市、春からは、札幌市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、福岡市にまでエリアを拡大するとしている。また、「時期は明言できないが最終的には全国展開を視野に入れている」（同氏）とも。
同社では事業目標について、Yahoo! BBユーザーの15〜20％を獲得したいと鼻息も荒い。仮に100万ユーザーを突破した現状にあてはめると15万〜20万世帯という計算になり、大きめのCATV事業者並みのユーザー数を誇ることになる。
スカパー！の人気番組を
ラインアップしたチャンネル構成か
BBケーブルTVを視聴するには、Yahoo! BBの利用料以外に初期費用1万円と月額2500円の基本視聴料が必要となる。契約者は、13のチャンネル（予定）を視聴することができる。番組内容は未発表だが、Sky PerfecTV!*4（以下スカパー！）やCATVなどで提供されている各種情報・音楽・娯楽系の人気番組になるものと思われる。スカパー！の基本的な番組パックが月額2990円で32〜36のチャンネルを視聴可能なことを考えると、1チャンネルあたりの料金がやや高いのはちょっと残念。また、当面はCATVのような地上波の再送信は行わないので、現在利用しているテレビ放送をそのままリプレースメントする存在というわけではない。通常の地上波放送に付加して、パラボラアンテナやチューナーを購入してスカパー！を視聴する代わりに、BBケーブルTVを契約するといったイメージでとらえるといい。
CATVのエリア外で、建物や電波の関係でスカパー！も見られなかったというユーザーも、各種の有料人気番組を見られることになるわけだ。
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