News 2001年3月1日 03:56 PM 更新

次世代携帯電話に向けた準備を進めるIntel

IntelはIDF 2001で,第3世代携帯電話向けのソリューションについて進捗状況を報告した。

 ベースバンドチップ,組込用プロセッサ,フラッシュメモリ,DSPといった携帯電 話向けのソリューションを持ち,第3世代携帯電話市場でのメジャープレイヤーの地位を狙う米Intel。米カリフォルニア州サンノゼで開催中の「Intel Developers Forum 2001 Spring」では,その進捗状況が報告された。

 Intel副社長で携帯電話プラットフォームの担当であるRon Smith氏は,水平分業により携帯電話向けのソリューションにPCと同じ競争原理を持 ち込む「Intel Personal Internet Client Architecture」(Intel PCA)の概要について説明した。それによると,PCAでは携帯電話内部のアーキテクチャを,通信部分とコンピュー タ部分で明確に分割。両コンポーネントのインタフェースを共通化することで, 異なるベンダーが独立して通信部とコンピュータ部を開発しても,簡単に接続して製品化できるようになるという。

 また,昨年の8月に発表していた組込型マルチメディアアプリケーションの開発ラ イブラリセット「Integrated Performance Primitives(IPP)」(2000年8月24日の記事参照)の成果についても言及。IPPはIntelプロセッサ向けに高度に最適化されており,一般的なコンパイラで開発するのと比較して,「かなり大きなパフォーマンスゲインを得ることができる」(Intel)のが特徴だ。Smith氏によれば,マルチメディアソフトウェアベンダーのBeatnikが携帯電話,PDA向けにx86用MP3プレーヤーの移植を行ったところ,IPPを用いることでデコードエンジン部分の移植を3日で完了。さらに,性能面では,米Compaq ComputerのStrongARM搭載PDAである「iPaq」において,オーディオファイル再生中のプロ セッサ負荷を25%に抑えることができたという。「MP3デコードにIPPを用いないバージョンと比較してみたところ,IPPで開発したほうが22倍高速だった」(BeatnikのThomas Dolby氏)

 また,IPPはMP3再生だけではなく,MPEG4ビデオ再生などのマルチメディア処理にも対応可能で,IDFのデモショウケースでは,IPPと一般的なコンパイラを利用した場合のビデオ再生パフォーマンスの違いについて実演が行われていた。なお,デモにはiPaqが使われていたが,IPP はXScaleアーキテク チャのマイクロプロセッサをサポートしており,携帯電話にリッチなアプリケーションを組み込むことも容易だという。

  

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[本田雅一, ITmedia]

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