News | 2003年2月19日 07:58 PM 更新 |
同氏によれば、2005年の65ナノメートルプロセス、2007年の45ナノメートルプロセス、2009年の32ナノメートルプロセスまでは、単体トランジスタの製造に成功しているという。32ナノメートルプロセスのプロトタイプでは、トランジスタの長さは15ナノメートルにまで微少化する。
Intelはやるべきことを行っている。次世代へと突き進むために、共に研究開発を進めていこう――Barrett氏のメッセージは、このようにいつも通り明確だった。
しかしここ数年、同じことを繰り返し言っているのも確かだ。もちろん、一人の人間が唱えているのだから、毎度毎度、話の趣旨がぶれるようでは困る。しかし、何年にも渡って同じことを提案し続けるのは、裏返せば、前に進んでいないことの証拠ではないだろうか?
Barrett氏は開発していかなければならないテーマとして、「いつでも、どこでも、どんなデバイスでも同じ情報にアクセスできること」「セキュリティと著作権保護の強固な仕組みを提供すること」「ネットワークに接続できない場面でも、オンライン時と同様に作業が行えるようになること」「シームレスにソフトウェアが統合されること」、そして「シンプルで使い易いユーザーインターフェイスを追求すること」――の5つを挙げた。
この中には最近加わったものもあるが、全体で見ると、同じようなテーマをこの2年間、ずっと取り上げてきたようなデジャブー(既視感)を感じてしまう。同じIDF Springの2002年の基調講演や2001年の基調講演などを読み返してみると、それがより鮮明になる。
Intel自身は課せられたミッションを確実にクリアし、将来に対する投資も十分に行っている。例えば同日、同社はアリゾナの製造拠点を300ミリウェハーに対応する5番目の工場にすることを発表した。総額20億ドルを投資するという。
200ミリウェハーから300ミリウェハーに移行することで、生産キャパシティは2倍に向上し、加えてコストダウンを図ることができる。Intelはすでに2つの製造拠点を300ミリウェハーに対応させているが、オレゴン州の製造拠点が今年の終わり、アイルランドの製造拠点が来年の前半に300ミリウェハーへの対応を完了する。アリゾナの製造拠点は、それに続き2005年から稼働する見込みだ。
また2004年に登場する見込みのPCプラットフォームデザインについてもBarrett氏は紹介した。ノートPCはタブレット型としても利用でき、小さな液晶パネルを通じてPCの電源を入れなくとも、中の情報を参照できる“クローズリッドコンピューティング”機能を備える。デスクトップPCはデュアルディスプレイが標準で装備され、本体のデザインも、より洗練されるそうだ。もちろん超高性能。
それでも停滞する? ならばIntelがやるべくことをやっても、業界が前進しない理由を考えなければならないのではないだろうか。
もちろん、まだ結論は出ていない。しかし今一度、業界の構造的な部分に目を向ける時なのかもしれない。PCプラットフォームを前進させ、より魅力的なものにしていくためには、Barrett氏の言うとおり、業界全体が技術革新に向けて前進する必要がある。
Intelは何か答えを用意しているのか? 初日の基調講演だけでは判断できそうにない。明日は「クライアントデイ」と名付けられた、ノートPCとデスクトップPCなどの基調講演が続く。そこでの戦略に注目しよう。
[本田雅一, ITmedia]
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