News 2003年3月28日 10:59 PM 更新

「今度は立たせてみました」――段ボールPCBOX製品直前版レポート

段ボールPCケースはついにタワー型に変身。しかも自作「PCケース」にもなるそうな

 前回プロトタイプを紹介したルーポの段ボールPCBOX。「製品直前版が入荷」の連絡に早速取材。「細部を補強して小型化しただけだよね」と思っていたら、

「おおっと、立ってしまったのね」

 段ボールながら、縦に置くといきなり高性能PCに見えてくるから不思議。今回出来上がった製品直前版は予告どおりEPIAマザーを組み込んでいるため、その分ケースの奥行きサイズが短くなった。


タワー型になった段ボールPCBOX「製品直前版」。天板にあるロゴは製品版ではケース横に移る


内側を引き出してケース内部に手を入れられるのは従来どおり。搭載ドライブがスリムタイプの光ディスクドライブと2.5インチのHDDに変更されている

 今回の変更は「横が縦」になっただけでない。プロトタイプで問題になっていたのが「ドライブベイ」の強度。1枚の段ボール紙で5インチサイズのドライブや3.5インチサイズのHDDを支えていたので、ドライブの重量で段ボール紙が弓なりにしなっていた。

 この部分を90度回転させて、より狭い面積でドライブベイを支えるようにした。さらに、ボックス状の部品を加えることで強度を増している。


ケース内部。ルーポらしく電源は下に配置。HDDは縦置きにして冷却用の専用ファンを設置。ドライブベイはボックス状の台座に変更された

 プロトタイプのケースでは「すっと抜き出せる」メンテナンス性が魅力だった。しかし、この改良で、見ための構造はずいぶんと複雑になっている。ドライブベイの取り外しが面倒になったのか? と心配になったが、「すっと抜いて、さくっと取り外せる」メンテナンス性の良さは以前のまま。このあたりの造作と工夫は、共同開発である段ボール職人集団BOXMASTERの考案だ。


ドライブベイの取り外しその1。ケースから「ぬっ」と抜き出す


ドライブベイの取り外しその2。取り出したドライブベイ。ボックス状の部品にドライブ固定枠が差し込まれている


ドライブベイの取り外しその3。差し込んであるツメを抜き取るとドライブ単体が外れる

 今回取材したケースから少し手直しをして、4月中に発売される予定だ。価格は「完成バージョン」で1万5000円。

「えっ、完成バージョンって?」

「いやー、組み立てバージョンもあって」

   なんと、パーツ状態での販売も予定されている。まるでペーパークラフトのようにユーザーが「折り曲げて、穴あけて、はめ合わせて」と自分でPCケースを組み立てる。こちらの予定価格は9800円。


段ボールPCBOXの構成パーツ。この状態でも販売する。真の自作「PCケース」の誕生だ


バックパネルは型抜きした状態で入っている。「こういうのに自分で穴をあけるのって気持ちいいですよね」とはルーポの弁

 EPIAマザー、スリムタイプのドライブ、2.5インチHDDとプロトタイプよりスペック的に後退した感もあるが、ルーポでは5インチベイと3.5インチHDDの搭載について検討を進めている。

「それじゃ、前にお願いしたmicroATX対応とかも?」

「うーむ。まずはこれを完成させてからね」

 ということは、このケースが完成したら考えてくれるんですね? と心の中でお願いする記者であった。

関連リンク
▼ ルーポ
▼ BOXMASTER

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[長浜和也, ITmedia]

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