News | 2003年4月29日 01:07 AM 更新 |
今回テストできたのは、FX5600搭載のASUSTeK「V9560」、9600 PRO搭載の「ATI RADEON 9600 PRO」( 試作品)。それに比較用のTi4200搭載カードと、9500 PRO搭載カードを用意した。 FX 5600、9600 PRO、Ti4200、9500 PROの主要スペックは以下のようになる。
新旧ミドルレンジビデオチップの主要スペック環境 | ||||||
ビデオチップ | コアクロック | メモリクロック | Direct X | ピクセルパイプライン | Vertex Shader | Pixel Shader |
RADEON 9600 PRO | 400MHz | 600MHz | 9.0 | 4 | 2.0 | 2.0 |
RADEON 9500 PRO | 270MHz | 540MHz | 9.0 | 8 | 2.0 | 2.0 |
GeForce FX5600 | 325MHz | 550MHz | 9.0 | 4 | 2.0+ | 2.0+ |
GeForce 4 Ti4200 | 250MHz | 500MHz | 8.1 | 4 | 1.3 | 1.3 |
コア/メモリクロックを見ると、新登場の9600 PRO、FX5600 Ultraともに従来機種を上回っている。これだけを見るとパフォーマンスを期待したくなるが、気になるのがチップに実装されてるShaderユニットとPixcelパイプラインの数。FX5600 Ultraと9600 PROが共にユニット2基にパイプライン4本と、最上機種の半分に対し、9500 PROは当時の最上位機種「RADEON 9700 PRO」のクロックダウンバージョンという位置付けなので、ユニット4基にパイプライン8本という構成になっている。クロックの速さと実装ユニットの数とどちらがパフォーマンスに影響するだろうか。
GeForce系のドライバに、現在Webで配布されている最新バージョン「Detonater 43.45」で比較してみると、FX5600がリードして、僅差で9500 PRO。そのあとに9600 PRO、Ti4200が続く。ただし、GeForce系ビデオカードはDetonatorのバージョンによってパフォーマンスが50%程度向上することが知られている。最初のFX系対応ドライバとして配布された「Detonator 43.03」では、FX5600が9600 PROを下回る。ちなみに、まもなく配布が予定されているDetonator 43.51でも測定してみたが、43.45とそれほど結果は変わらなかった。Detonatorのバージョンアップでパフォーマンスが劇的に改善された理由として、描画処理に変更があったためという情報もあるが、NVIDIAからこれに関する正式なコメントはまだ出ていない。
個別のテスト結果を見ていくと、3DMark03 Scoreに関係するGame1-4の結果はDetonator43.45で大幅に改善され、Game1は9500 PROを上回っている。一方でFillRate、Vartex/Pixcel ShaderのテストはDetonatorのバージョンには影響されず、Sharder系のテストは9600 PROを下回っている。
サポートする機能は、Ti4200がDirect X 8.1、VertexShader/PixcelShaderともに1.3である以外、いずれもDirect X 9.0、VertexShader/PixcelShader2.0以上をサポートしている。Direct X 9.0動作が絶対条件のユーザーならばTi4200は選択肢から外れていくが、Direct X 9.0対応ゲームの普及は来年になってからといわれている状況で今年一年使い倒すつもりなら、Ti4200でも機能的には問題ないことになる。
実売価格を見てみると、FX5600を搭載したカードは約2万5000円程度。9600 PRO搭載カードの実売予想価格は3万円後半から4万円弱。9500 PROが依然として2万3000円程度の価格を付けている一方で、Ti4200カードはビデオカード128Mバイトバージョンでも実売価格が1万6000円程度になっている。
今年いっぱいで使い切るつもりなら、安いTi4200という選択肢もあるだろう。コストパフォーマンスもそれほど悪くない。ただし、絶対的なパフォーマンスでは、最新ビデオカードとは明らかな差があることを頭に入れておきたい。ベンチマークの結果では、9500 PROが今でもベストコストパフォーマンスカードであることになる。ただし、従来のDirect X 8.1対応ゲームを楽しむならGame1の結果が最もよかったFX5600搭載カードも捨てがたい。現在のDetonatorでは描画品質に問題あり、という意見もあるが動きの激しい3Dゲームでは、細かい画質にそれほどこだわらなくてもいい。
難しいのが9600 PRO。価格はRADEON 9500 PROより高め。パフォーマンスではRADEON 9500 PROに対してはっきりとしたアドバンテージは出せていない。0.13μプロセスの採用で熱の発生が抑えられるというメリットが考えられるが、ファンレスボードは9600ノーマルで確認されているのみ。9600 PROでファンレスが出るかどうかは未定だ。
以上、価格、総合パフォーマンス、延命性を考えるとお勧めは9500 PRO。今ある3Dゲームのパフォーマンスが最優先ならFX 5600も有力な選択肢となってくるだろう。
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