News 2003年5月19日 11:59 PM 更新

News Weekly Access Top10(2003年5月11日−2003年5月17日)
“携帯型ゲーム機にディスクシステム”の「なぜ?」

ソニーがE3で発表したPSPには、新しい6センチ光ディスクメディア「UMD」が採用された。メモリースティックという小型ブリッジメディアがあるにもかかわらず、携帯機器に不利なディスクシステムを搭載した理由とは?

News Weekly Top10 5月11日〜5月17日
1位 ソニー、携帯型ゲーム機「PSP」発表
2位 IBMメインフレーム(現状渡し)、ヤフオクで売ってます
3位 ソニー、携帯ゲーム機に参入。キーワードは“21世紀のウォークマン”
4位 “光”が暴く仮想マシンの脆弱性
5位 Appleは答えを出した。次はMSだ
6位 期限切れドメイン取得――その“けもの道”
7位 「OS込みで2万円台のPCも」――Lindows日本語版、エッジ緊急インタビュー
8位 Direct X 9.0世代ノートPCビデオチップ「GeForce FX Go5600」のパフォーマンスを検証する
9位 Longhornの真実(1)――グラフィックとディスプレイ周り
10位 ゲームはまだ終わっていない――任天堂で交錯する「強気」と「弱気」

Weekly Top10 先週のTop10は、ソニーの携帯型ゲーム機「PSP」関連の記事が1位と3位にランクインした。

 “PlayStation Portable”と名付けられた新プラットフォームには、「UMD(Universal Media Disc)」という新しい6センチ光ディスクメディアが採用された。2層記録時には1.8Gバイトの大容量を確保し、セキュリティ技術により、コンテンツ保護も行えるという。同社にはメモリースティックという小型ブリッジメディアがあるにもかかわらず、またもやメディアの新規格を打ち出してきたカタチだ。

 PSPにもメモリースティックスロットは装備される。ただし、その役目はソフトウェア供給ではなく、ゲーム用のメモリストレージや、ワイヤレス通信やGPSユニットなどを装着するI/Oデバイスとして機能するという。

 メモリースティックも“PRO”に進化して、容量の足かせはなくなっているはず。また「アクセスコントロール機能」によって、セキュアな環境も手に入れた。にもかかわらず新メディアを採用した最大の理由は、ディスクシステムのメリットである「メディアコストの安さ」だろう。

 ただし、ピックアップやモーターなど駆動系を持つディスクシステムは、ROMカートリッジ採用のライバル「GAMEBOY ADVANCE(GBA)」に比べて、扱いがデリケートにならざるを得ない。編集部では、GBA SPがちょっとしたブームとなっているが、皆、肌身離さず持っているせいで、購入後1カ月足らずですでに何度もそのコンパクト型のスクエアボディを地面に叩きつけている。それでも壊れないのが、携帯型ゲーム機に課せられた使命だ。

 6センチ(2.4インチ)というUMDメディアの大きさも気になるところ。これは、音楽メディアとして普及しているMDの大きさ(2.5インチ)と非常に近い(PSP発表当初、UMDは“Ultra Mini Disc”の略かと思った)。GBAのROMカートリッジは、60(横)×34.5(縦)ミリとUMDメディアの半分。本体サイズでGBAと競うなら、メディアは2インチ以下にするべきだろう。

 なぜ、あえてMDとほぼ同じサイズにしたのだろうか?プレイステーション1並みの3Dゲームを収めるだけなら、1.8Gバイトもの大容量は必要ない。UMDメディア規格が、PSPだけで終わらない気がするのは、筆者だけだろうか。

[西坂真人, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.